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2020.09.05

からだ

肩に効くラジオ体操で、スマホの悪姿勢が原因の「巻き肩」を解消!

ラジオ体操2.0
「ラジオ体操2.0」とは……
体が硬くても、運動経験がなくても、難なくこなせる簡単な動きで高い運動効果を得られるラジオ体操第2。
今回は、その特性をフルに活かして、肩まわりのトラブルを根本から改善できる即効エクササイズを紹介していこう。
【教えてくれる人】新田幸一さん
高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。

スマホやPCの前のめり操作は要注意

-体を大きく動かす動的ストレッチの要素の濃い、ラジオ体操第2に突入したわけですが、ラジオ体操の動きって、とにかくシンプルですよね。
新田 : そうなんです。難解な動きがひとつもないのに、効果は抜群というのがラジオ体操のスゴいところ。動きが難しすぎて、「どうしたらいいの!?」と、混乱してしまうようなエクササイズって多いですからね。
シンプルなんだけど、人間の体の構造を徹底的に理解したうえで考案されていることがわかるので、改めて感心しています。今回もそんなラジオ体操の良さを体感しやすいエクササイズを紹介するんですが、これが現代人に多い「巻き肩」の改善におすすめなんです。
-「巻き肩」って何ですか?
新田 : 肩の両端、もっと具体的に言うと、肩と腕がつながっているあたりが前に出たような状態のことです。ひどい人は、胸の位置より前に出ている人もいます。肩が内側に入っていると表現されることもありますね。
-猫背とは違うんですか?
新田 : 猫背は背骨が曲がって、背中全体が丸くなってしまう姿勢ですが、巻き肩は、両肩だけが内側に巻き込むようになっています。だから、姿勢が良い人でも巻き肩の人はいるんです。とはいえ、猫背&巻き肩という人が圧倒的に多いですが。
-姿勢が良くても油断できないということですね。ちなみに、自分が巻き肩であることはどうやったらわかるんですか?
新田 : 自然な姿勢で鏡の前に立って、真横から見て、肩が耳の位置より前に出ているようなら、巻き肩の傾向にあります。それと、もうひとつ簡易的なチェック法ですが、足を肩幅くらいに開いて立って両腕をまっすぐ上げたとき、両腕が耳の位置より後ろまでいかないようなら、巻き肩の可能性があります。
-原因は何なんでしょう?
新田 : 猫背から巻き肩へと移行するパターンが圧倒的に多いですが、首、肩まわり、肩甲骨まわり、胸の筋肉の硬さが大きな原因ですね。そして、そうなりやすいのが背中を丸めて覗き込むようにスマホを見る癖のある人。前のめりになってPCを操作する人なんかも要注意です。
-巻き肩になるとどんな不調が発生するんですか?
新田 :もちろん肩こり。それと、首まわりには老廃物を排泄する働きを持つリンパが通っているので、その流れが滞るため老廃物が溜まりやすくなって、疲れがとれにくくなったり、むくみが出たりしますね。また、胸の筋肉が硬くなることで呼吸がしづらくなったりすることもあります。で、呼吸が浅くなると全身に酸素が行き渡らなくなるから、全身の筋肉がコリ固まって、疲労感も悪化しますね。
-なるほど、そこで今回のエクササイズで巻き肩を改善しようと?
新田 : はい。「腕を前から開き回す運動」と「胸を反らす運動」を組み合わせて行うことで、首、肩まわり、肩甲骨まわり、胸の筋肉をほぐすことができるんです。


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