「あからさまでなく静かに語る大人服」
STUDIO NICHOLSON スタジオ ニコルソン
「幼い頃から興味の対象はまるで男の子のようでした。そして今も私のクローゼットは、メンズ服ばかり」。そう語るのはデザイナーのニック・ウェイクマンさん。そんな彼女のミューズは、デヴィッド・ボウイなのだそう。
彼の魅力について「経験豊富でありながら、それをあからさまに表には出さず、内にしっかりと自分を持っている」と話すとおり、スタジオ ニコルソンも個性を見せつける服ではなく、デザインはシンプル。上質で上品な素材と仕立てによって人々を魅了する。
その礎にはファブリックへの深い見識と確かなテーラリングがある。クラシックな紳士服が備える品の良さ、正統性に強く感化されつつ、そこにタフさ、ストリートな感覚、デイリーウェアの要素を小気味良くミックスする。
「写真のシャツジャケット&イージーパンツからなるセットアップは、ソフトでハリに富むオーガニックコットンツイル製。ゆったりしたシルエットや落ち着きのあるショコラ色をワントーンで採用することで、大人のエレガンスを表現しています」。
無作為に合わせてもマッチする“モジュラー ワードローブ”と名付けたブランド理念のもと、セットアップでも上下別々でも、合わせる服を選ばず着回しやすい。装いの主役・脇役にと、つい頼ってしまう使い勝手のいい逸品だといえよう。
| デザイナー ニック・ウェイクマンさん イギリス生まれ。美術大学でファブリックについて学び、イギリスのテーラーで技術を習得。2011年、クラシックな紳士服の要素を取り入れコンテンポラリーに昇華したウィメンズブランドを発表。’17年、待望のメンズラインを始動。 |
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