女性が思う「理想の男性像」。そのヒントは、第一線で活躍する一流の日本人女性クリエイターにあった。
彼女たちが手掛ける服は、我々を「女性目線」でもっと素敵にしてくれる。
「普通を積み上げて心地良い服をつくる」
LOEFF ロエフ
気負わず気張らず。粋な男性をイメージしてメンズウェアをつくるというロエフのデザイナー鈴木里香さん。彼女が手掛ける服は、シンプルでいて心地良いニュアンスを感じさせるものばかりだ。
「’20AWシーズンのコレクションテーマに掲げたのは“樹海”。街にも森の中にも馴染むスタイリングをイメージしました」。
写真のベストは、メランジ調の味のある表情が特徴の圧縮フランネル製。艶やかなパイピングを配してクリーンな表情を加えたり、抜けた感じを演出できるよう少し肩先が浮くパターン設計に、こまやかなこだわりが感じられる。コーディネイトは「Tシャツの上にもニットの上にも、悩まず着ていただきたいです。バンドカラーシャツを合わせるのもおすすめ」と鈴木さん。
なおデザイン哲学については「なるべくデザインしないようデザインしています」とのこと。デザインは「動きやすいか、後ろ姿もカッコいいかなど、普通のことを積み上げた結果」のカタチなのだそう。
しかし一見普通なようで、どこか洒落て映るのが、ロエフのウェアの真骨頂。それは、大人のファッションにおけるひとつの理想をかなえるものである。気負わず気張らず、粋に着られたし。
| ディレクター兼デザイナー 鈴木里香さん 東京都生まれ。B&Y ウィメンズのチーフデザイナーを経て、スティーブン アラン、エイチ ビューティ&ユースにてデザイナーを務める。2019年秋冬より現職を兼務。信条は「着ていただく方が、少しでもよい一日を過ごせる」服作り。 |
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