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アペリティフの主役は会話

平野 アペリティフは、夕方時間に「話しませんか」ということがメインで、お酒や食べ物は潤滑剤という感覚でしょうか。これからは日本でも、もっと気軽にアペリティフがしたいし、リモートワークのおかげで、できるのではないでしょうか。
相場 夕方の明るいうちから、優しい風が吹いているなかで飲めるのは気持ちいいです。
平野 贅沢ですね。英語だとハッピーアワーですが、ニュアンスが違う感じです。アペリティフの、ご飯の前にちょっと話したい、という時間が大切な気がします。
相場 本当にそうですね。
平野 ニューヨークでは家で2時間ほど飲みながら話して、ご飯は外へ食べに行けばいい、とか、また、ディナーはしないけれど、夕方5時から7時くらいに話をしない? というのは普通でした。夕食には誘いにくい状況でも、夕方ちょっとおつまみ作るから、とか、ワイン買ったのでご一緒しませんか? とかはまだ言いやすいかもしれません。
相場 それはイタリアだと、旬のものや収穫祭のとき、新しいワインができる季節に人を呼ぶっていう感じでしょうか。旬野菜や、スイカが手に入ったよ、というのに近かったかもしれませんね。私も、友人から、まだラベリングもされていないようなワインを振る舞われた経験があります。
平野 ちょっとシェア的な感覚でしょうか。おすそ分けのお誘いですね。「食事時間は邪魔しないので」と言って、おつまみ一品とワインでアペリティフにお誘いするのは、これからいいのでは。
相場 イタリアでは金曜の夜や週末よくやっていました。ワインとつまみを持ち寄って。
平野 今ならリモート飲みならぬ、リモートアペリティフもありですね。
まずはビール派にはコレ!
まずはビール派にはコレ!ヒューガルデンの「ヒューガルデン ホワイト」
330ml 299円[税込]/ヒューガルデン(アンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパン 0570-093-920)
ヒューガルデンの「ヒューガルデン ホワイト」
ベルギーのヒューガルデン村を発祥とし、世界中で愛されているビールのひとつ。「ヒューガルデン ホワイト」はオレンジピールとコリアンダーシードの独特の清涼感が、アペリティフに打ってつけ。
これまでの生活だと、夕方の時間を家族と、あるいは友人と過ごすのはとても難しいことでした。けれどリモートワークが進んでいくなかで、今までとは違う時間の使い方、人との関わり方が広まっていくでしょう。
アペリティフのもとになったラテン語は「オープン」という意味、つまり食欲を目覚めさせることがアペリティフの役割でもあります。人と会話を楽しみながら、身体にディナー時間の準備をさせるひととき、実は心身をともに「オープン」にするかけがえのない時刻なのです。
アルコールが飲めても飲めなくても、「オープン」な時間を過ごしたいものです。
【飲み対談の場所となった相場さんの店】 「LIFE」
【飲み対談の場所となった相場さんの店】
「LIFE」
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-9-19 1F
電話番号:03-3467-3479
営業:11:45〜14:30、17:30〜21:30 (20:30LO) 無休
www.s-life.jp
 
恩田拓治=写真(取材) 鈴木泰之=写真(静物) 増山直樹、甘利美緒=文


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