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そんな絵里香さんは東京・蒲田で生まれ育った。
「怪しい人はいっぱいいるけど賑やかな街です。子供の頃は『あの人たちはなんで毎晩道に立っているんだろう』と思っていましたが、いまはキャッチだとわかります(笑)」。
小学生の遊び場は近所の「蒲田一丁目公園」。
「入り口に変な石の像があって、そこが集合場所です。男の子たちと鬼ごっこをしたり、蝉を捕まえたりしていましたね。蝉の抜け殻を服にいっぱい付けて帰ったら、お母さんにめっちゃ怒られました」。
実家の引っ越しに伴い、神奈川県内の高校に進学。老人ホームのヘルパーだったお母さんの影響もあり、医療系の大学を受験した。
「合格したんですが、3カ月で中退しました。入ってみたらそんなにやりたいジャンルじゃないなぁと思って」。
親が払った入学金と先納の授業料は190万円。コンビニ、ファミレス、結婚式場、不動産事務と、その後のフリーター生活で半分以上返したというから偉い。
不動産バイト時代はご覧のスーツ姿で勤務。
「現地案内も任されていたんですよ。物件のセレクトは社員の人がやって、私は車でお客さんを連れて行く役。『家賃交渉できるか』『給湯器はどうなっているか』など、いろいろ聞かれるんですが、『戻って担当者に確認しますね』としか言えなくて(笑)」。
現在、飲食チェーンの社員として働く絵里香さんにとっての癒しは、家で飼っているペット。
つくねちゃん[左]と、まろた君[右]。
あれ、犬と猫の多頭飼いは珍しいですね。
「野良猫だったのを拾ってきた子と、里親として保健所から引き取った子なんです。『つくね』は鶏団子で、『まろた』はマロニーから取りました。どっちも鍋の食材です」。
鍋も好きだがラーメンも好き。週に1度は必ず食べる。ここ五反田のお勧め店を聞くと、江戸前煮干中華そばの「きみはん」を挙げた。
「つけ麺TETSU」系列の人気店。
また、最近のトピックは通勤用に中型バイクを買ったこと。写真を見せてもらったら意外にも武骨なタイプだった。
アメリカンクルーザーのホンダ「レブル250」。
みなとみらいへのツーリング写真がすごい。
大さん橋からの1枚。
こちらは千葉の内房半島ツーリング。曹洞宗の寺院、鋸山を詣でた。
お願いしたのは「世界平和」。
世界をも接客する絵里香さんは言う。
「飲食業界で就職先を探しているときに、『ふたご』が接客を重視していると知って応募しました。勤務中はとにかくお客さんと仲良くなるということを意識しています。もちろん、いちばん大事なのは美味しい料理を提供することですが」。
というわけで、“最強”のレモンサワーと“最強”のホルモンと“最強”の接客を堪能した。ごちそうさま、お会計をお願いします。
締めのサービスは「飲むヨーグルト」。
「ふたご」がオリジナルで開発したヨーグルトで、同社のオンラインショップでも販売している。
「また来てくださいね〜」。
最後に読者へのメッセージをお願いしますね。
ホルモン以外のメニューも絶品でした。
 
【取材協力】
大阪焼肉・ホルモン ふたご 五反田本店
住所:東京都品川区西五反田1-25-1 KANOビル1F
番号:03-5434-2515
www.yakiniku-futago.com
 
「看板娘という名の愉悦」Vol.116
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文


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