行動しないと感情が動かない
「あるとき、地方都市の課題について彼らとしゃべっていたときに、父親の実家の佐賀県有田市の話をしたんですよね。有田は焼き物という文化も歴史もあるのに街は衰退している、どうしたら活気が取り戻せるか、と。そしたら次の日に『原さん、実際に有田に行って街の声を聞いてみようと思うんですけど』と電話がかかってきて。マジで? と思ったんですけど(笑)、これは俺も一緒に行くしかないな、と」。
行動しないと感情が動かない、と原さんは言う。その言葉通り、彼らのリサーチに同行するうちに、原さんの中に挑戦したい気持ちが湧き上がってきた。
イメージしていたパブリックスペースを作ることで、停滞している街にひとつの動きを生み出せるのではないかと考えたのだ。
「都市計画のプロたちも、『いいんじゃないですか、それ!』と賛成してくれたんですけど、問題は誰がそれをやるかということ。彼らが『原さん、自分でやったほうがいいですよ』って言ったんですよね。最初は『イヤイヤ……』と思ったんですが、結局自分でやることに。
頭で考えたら無理だしナシなんですけど、腹の中では『ヨシ、乗っかってやるぞ』と覚悟ができてたんですよね。それで、銀行から1000万円借りて、有田に『Fountain Moutain』という名前のカフェを立ち上げました」。
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