OCEANS

SHARE

2020.08.25

ライフ

「頭じゃなくて腹で考えて行動したい」40代後半からの仕事のやりがいとは?


「37.5歳の人生スナップ」とは……
がむしゃらに仕事をした20〜30代を経て、40代を目前にした37.5歳。アートディレクターとしてデザイン会社を率いる原 大輔さんは、その年頃にスタッフの育成とチーム作りに取り組んだ。
それがうまくいってチームが順調に機能するようになったというお話を伺った前編。ところが40代半ば、安定を手に入れた原さんが起こした行動とは?
 

目に見えないものをデザインしたい

安定したが故に感じる退屈さ。もう自分にはやりたいことはないな、と半ば諦めて自らのキャリアのたたみ方を考えたという40代半ばの原さんの元に、飛び込んできた新しい仕事があった。
都市計画を担うコンサルタント会社からの依頼で、都市計画のコンセプトを街の人々にもわかりやすく伝えるための冊子を作るというものだった。そのクライアントとの対話で、原さんは驚かされたという。彼らが見据えている明日が、20年、30年先だったからだ。
「自分らの仕事はせいぜい来週か、来月、せいぜい1年後を考えているくらいです。彼らの仕事は人の営みをデザインするということで、考えている時間も次元も違う。そんな彼らとの仕事を通じて、2次元だった自分の仕事は3次元に展開できるし、まだまだ自分を拡張できるじゃん! と思ってワクワクしてきた。
それから、最初は彼らの話についていくためだったけど、結局自分の興味が膨らんで、思想や哲学、歴史など、40代後半からいろいろな本を読んで勉強し始めたんですよ」。

そして、原さんが特に刺激を受けたのが、都市計画のコンサルタントたちのその思考だった。彼らは都市という箱を作るために、その中の人間のことを考える。
「目に見えない人のつながりをデザインしたい」と考えた原さんが興味を持ったのが、パブリックスペースだった。地域の中に、人々が集う場所だ


2/4

次の記事を読み込んでいます。