「37.5歳の人生スナップ」とは……開発が進み駅前の風景は一変したが、下北沢にはそれでもなお昔から変わらない雰囲気があり、ここに暮らす人とここに集まる若者の息遣いが感じられる。そんな下北沢に、この夏、コワーキングスペース「ロバート下北沢」が誕生した。
「この街の誰かの居場所になれば」とここを作ったのは、デザイン会社SLOW代表の原 大輔さんだ。
「もともとSLOWが事務所を構えていた場所ですが、良い物件が見つかって引っ越すことになったんですよ。でも、駅からも近くて商店街の真ん中にあるこの場所が気に入っていたので、何か活用できないか、と考えたときに、人が集うパブリックスペースみたいなのを作りたかったので、コワーキングスペースが手っ取り早いな、と」。
アートディレクターとしてデザイン会社を運営しながら、なぜ新しいことを? と聞くと「そりゃ、やっぱり楽しいことをしたいからね」と原さん。
「今年50になるんですけど、これからは自分が楽しむために仕事をしたい。人に『無謀な!』『大丈夫?』って思われるようなことをしてワクワクしたい。大人になるといろんな経験値があるから、無茶なことってしなくなるでしょう? でもその『やらない』判断って本心なのかなと思ってて。自分に嘘ついて我慢しても面白くない。大人になったからこそ、意識的に冒険していきたいと思っているんです」。
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