豊富なバリエーションが価値を生む
時計でもデニムでも、ヴィンテージが人気を得るためには「飽きないデザイン」「ある程度の流通数」「ユニークなディテール」が必須条件となるが、もちろん、IWC製の「マーク11」は、この条件を十分に満たしている。
第一に、競合他社であるロンジン、ジャガー・ルクルトの「マーク11」は、稀少性という意味ではIWCを上回るが、それゆえ入手が極めて困難であり、実機を目にする機会すら少ない。
それに対して、IWCが手掛けた「マーク11」は製造期間が長かったため玉数もあり、コンディションにこだわらなければ見つけること自体は難しくない。
イギリス軍、南アフリカ軍、オーストラリアやニュージーランドなどの空軍に納入していた背景から、文字盤にいくつかのバリエーションがあり、「ブロードアロー」や「Tマーク」の表記がプリントされていないタイプも見つかる。さらには民生用のモデルまであるのだから面白い。
ミリタリーウォッチ界屈指の名機は、時計好きだけでなくアメカジ好き、モノ好き、すべての人にオススメ。“時代を超えた究極の定番”として、色褪せない輝きを放っている。
[取材協力]キュリオスキュリオ住所:東京都港区南青山4-26-7 +8ビル 302電話:03-6712-6933営業:15:00~20:00 月・火曜定休https://curious-curio.jp「ミリタリーウォッチ ブートキャンプ」とは……軍用を出自とするミリタリーウォッチは、国や時代、用途などによって驚くほど奥が深い。そんな一朝一夕には語れない世界に飛び込む“新兵”へ向けた短期集中訓練(ブートキャンプ)。
上に戻る ※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール
戸叶庸之=編集・文