畳む順番まで教えてくれるリサイクルバッグ
トラックの荷台を覆うタープ、安全を担保する車のシートベルト、自転車のタイヤのインナーチューブ……どれも製造時は大事な役目を担っていた。しかし、時間が経てばお役御免、新品と入れ替わる。それが世の常であり、サイクルである。
そこに異議を唱えたのがフライターグだ。
日本で紹介されてからもう何年も経つため、知っている人も多いだろう。役目を終えた(と思われていた)素材を主役にバッグなどを作り続けるスイスのブランドである。こちらはその最新作。
ボディで使われているのはペットボトルのリサイクル生地。留め具はかつてトラックタープだったものをリサイクルして使用した。
ご覧のようにコンパクト化できるのだが、その折り畳み手順をデザインとして取り入れるなど、なんともニクい演出に惚れ惚れしてしまう。
高級スエードのように見えて実は……
あらゆるブランドが本革の使用を控え始めている昨今。その流れには大いに賛同だが、レザーの魅力を知る我々としてはいささか寂しい側面もある。
そんな気持ちを知ってか知らずか、バーニーズ ニューヨークより素敵な提案が。“より長く大事にお使い頂けるモノ作り”をコンセプトに提案しているのが、このバッグ。表面のザラッとした質感はどこからどう見てもスエード。毛羽を抑えた丁寧な仕上げはなんとも高級感がある。
実はこれ、東レ社が開発したマイクロファイバースエード。いわゆる“化繊”である。「ビニール袋を減らすためのエコバッグを化繊で作るなんて本末転倒だ!」と思うかもしれない。でも、これは最新の環境負荷低減技術で作られた、れっきとしたエコ素材。
耐久性があり、耐光性にも優れているから陽の光で色褪せることもない。しかも、外見に反してコンパクトにもでき、さらには自宅での洗濯も可能な優秀バッグ。環境に負荷を与えず、そのうえ長く愛用でき、お洒落心も満たされる。こんなエコバッグを待っていた!
環境に対するアプローチは多種多様。どんなカタチでも、エコなエコバッグなら環境への優しさも2倍ってワケだ。
「“本命”エコバッグ」とは……レジ袋も有料化し、いっそうのエコマインドが求められる昨今。改めて地球との共存を考えるなら、傍らには常に相棒となるエコバッグが必要である。じゃあ“本命”はどれ?
上に戻る 菊地 亮=文