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2020.08.15

あそぶ

走るための草履=ワラーチは、マラソンシューズで走るよりも気持ちいい!?

running up-date
「Running Up-Date」とは……
フリーランスのアートディレクターとして活躍する井口 創さんは、前編でお話しした通り、自宅が仕事場であるため日常生活の大半を湘南で送る。「波があればすぐ海に行けるように」と選んだ住まいと仕事だが、逆に言えば常に波があるとは限らない。
「波がない日でもできるアクティビティを探していたら、そこにランニングがぴたっとハマってくれました」。

走るための草履!? ワラーチで駆けるときがいちばん気持ちいい

「何より気持ちいいからサーフィンを続けていますが、ボードとショーツ、リーシュコードという道具だけあれば海で遊べてしまう。そのシンプルなところが性に合っています。日常生活でもなるべくモノを所有したくなくって、本当に必要かどうか吟味してから購買するようにしています」。
そこにはどこかカウンターカルチャー的な、大量消費社会へのアンチテーゼ志向もあるかもしれない。
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タンクトップは遊びで自作したデザインで、友人たちに配った。キャップは山と道、ショーツはパタゴニアの「バギーズ・ショーツ・5インチ」。
「ランニングでもなるべくシンプルなギアがしっくりきます。ワラーチと呼ばれるサンダルに、極力軽装で走るのがいちばん気持ちいい」。
ワラーチとは10年ほど前から広まったアイテムで、メキシコの奥地に住むララムリと呼ばれる走る民族が「廃タイヤを利用して手作りしている草履」にインスパイアされ、生まれたもの。
実際にメキシコでララムリと一緒に走った経験のあるアメリカ人ランナーが創業した「ルナサンダル」がその筆頭で、アメリカでもやはり、カウンターカルチャー的な志向を持つ人の割合が多いウルトラランナーやトレイルランナーを中心に愛用者がいる。
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右がルナサンダル。もう何年も履き続けているそうで、コストパフォーマンスも高いといえる。左も同じくはだし感覚で走るために生まれたニューバランスのミニマスシリーズの一足で、「寒くなってきたらこっち」という。
「この手の底の薄い、はだし感覚を呼び覚ましてくれるシューズで走っているほうが楽しいし、気持ちいいんですよ。走るという動作はシンプルかもしれませんが、これで走っていると足を置く場所や体の動き方に意識的になれて、そこがまた面白いんですよね」。
大人になってからはじめた趣味なので、いろいろと頭で考えてやるのが奥深さに繋がっている。かたや十代のころから続けているサーフィンでは体が動くまま波に乗っていたが、「こっちでもいろいろと考えて乗ってみたら面白いかも」と、最近は足を置く場所や姿勢などに思考を巡らせるようになり、新しい遊び方が開けたのだそう。


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