探し求めた“人とカブらない”焚き火台
「そもそもアウトドアは“不便を楽しむもの”なので、機能は求めません」とじゅんいちダビッドソンさんは語る。では何を重視するかというと、単純に“人とカブらない”もの。
それは常に徹底していて、例えば新しく焚き火台を購入するときですら、ターゲットにしていたアイテムを3人の知人が購入したため、すぐに気持ちを切り替えて違うものを探し始めたほどだ。そして見つけたのがコレ。
アウトドア歴約10年、キャンプにハマって約2年半を数えるが、同作の存在はまったく知らなかったいう。周囲の人間にも使っている者がいなかったため、迷わず手に入れた。
「何と言っても見た目の良さ。見るからに武骨な佇まいが格好いいでしょ? ひと目惚れの勢いそのままにポチりました」。
誰ともカブらないものを探し当て、しかもそれが自分のド真ん中。これぞ男のロマンである。
「アウトドアは幼い頃に経験した秘密の基地作りの延長戦のようなもの」とじゅんいちダビッドソンさん。なるほど、確かにあのときのドキドキやワクワクは今でもよく覚えている。
「自分の好きなときに、好きな場所で、好きなように空間を作る。完成したら焚き火を見ながら酒を飲む。いわばアウトドアフィールドは広大な一生の遊び場なんですよ」。
何かと苦労の耐えない世の中、彼の金言が心に沁みる。
菊地 亮=取材・文