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②どこまでオリジナル? こだわるべきパーツ解説 

「オリジナル(※コピーや復刻ではないオリジンということ)の判断が難しいと言う理由から、ヴィンテージウォッチを敬遠する方もいると思いますが、その気持ちはわかります(笑)」。
萩原さんも言うように、ヴィンテージウォッチを購入するうえでの第一関門がココになるのだが、これは初心者に限らず、識者にとっても厄介な問題である。
「でも、ミリタリーウォッチに関して言えば、マーケットが成熟していることから情報が入手しやすいため、オリジナルや真贋は見極めやすい方ほうだと思います。
基本的に軍用時計のケースバックには、国、年代、軍隊、仕様などが分かる“マーキング”が入る。
基本的に軍用時計のケースバックには、国、年代、軍隊、仕様などが分かる“マーキング”が入る。ストラップを接続するパーツは、バネ棒ではなく、嵌め殺しであることが多い。
専門店に聞くのがいちばん手っ取り早いと思いますが、ある程度の経験やコツを掴めば、ネット上で時計を見比べることで判断できるようになれるかもしれません。
ただ、情報を何でも鵜呑みにしてしまうのは危険なので、“質を見極める眼”が必要になりますね」。
では、どんなポイントを重点的にチェックするべきなのか?
「一部の例外を除くと、ミリタリーウォッチにはブレスレットを装着しているモデルがほぼありません。ですから、プラスチック製の風防と同じで、消耗品であるストラップが社外品に交換されていてもマイナスにはならない。
同じ消耗品でも話がリュウズになるとそうもいきません。時計の一部としてデザインされているパーツだから、これが欠けてしまうと時計全体の印象が大きく変わります。
コンディションも入念にチェックしたい。特に文字盤は個体の評価を大きく左右するため、見逃しは厳禁だ。
コンディションも入念にチェックしたい。特に文字盤は個体の評価を大きく左右するため、見逃しは厳禁だ。こちらの1960年代頃のユンハンスの西ドイツ空軍用クロノグラフは素晴らしい状態を維持している。
クロノグラフのプッシュボタンなどもそうですが、この辺りのパーツは後から入手することがとても難しい。購入する時点で可能な限りこだわりたいですね」。
なるほど。基本的なルールを知れば知るほど、ぼやけていた視界がクリアになりそうだ。


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