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どんなレベルの仕事が適切かは人によって異なる

そう思うひとつの理由は、能力開発の観点から適した仕事の大変さ、つまり仕事の難易度は、人によって異なるからです。
今の自分の能力に比してあまりに高すぎる難易度の仕事を与えられても単純に「できない」だけで、そこから学べるかどうかはわかりません。頑張れば手が届きそうな適切なストレッチ課題を与えられてこそ、実効性のある試行錯誤ができ、能力開発につながります。
もちろん極度に難しい「修羅場」が適している人もいるのですが、それは少数派に思えます。むしろ、段階的に少しずつストレッチしていくタイプの学習が向いている人の方が私の実感としては多いように思いますが、いかがでしょうか。
 

「挫折経験」は必要なのか

もうひとつの理由は、「修羅場」は難易度が高いがゆえに「挫折経験」「失敗経験」を生みやすいということです。私などは、修羅場はトラウマ(精神的外傷)のようなもので、あまり思い出したくもありません。
よく「挫折が人を強くする」とも言いますが、これまた人それぞれで、挫折をバネにモチベーションを高める人もいれば、挫折がもとで自己効力感(自分は「うまくやれる」という自信のようなもの)を失ってしまい、その後の仕事上でのチャレンジを阻み、学習機会の損失につながる場合もあります。
そう考えると、私は「挫折経験」は必ずしも必要ではなく、そのために修羅場をくぐらせることはないと思います。


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