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[Keyword 3]サイズダウン
AUDEMARS PIGUET オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク オートマティック
SSケース、34mm幅、自動巻き。190万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000)
ドレス×スポーツの大傑作がひと回り小ぶりな34mmサイズに
AUDEMARS PIGUET
オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク オートマティック
1972年に登場以来、人気が高止まりしているラグジュアリースポーツウォッチの雄「ロイヤル オーク」。当時のオリジナルサイズより5mmサイズダウンした最新モデルは、時計界の小型化傾向を象徴するような注目作だ。八角形ベゼルとタペストリー模様のダイヤル、アプライドアワーマーカーのバランスはクラシカルで、現代のサイズ感に見慣れた我々にとっても新鮮。小型化しても精度の落ちない製造技術の確立など技術的進化の背景も見て取れる。
藤井 あとは小型化も顕著ですね。
安藤 個人的に言えば、今までが大きすぎたんです(笑)。’90年代後半のデカ厚ブームがようやく沈静化してきていると思います。
藤井 腕が細い傾向にある日本人にはうれしいところですね。
安藤 デカ厚潮流に流されて、小さなムーブメントに大きなボディを与えたモデルが出るなどのアンバランスな面もあったので、適正な方向に戻りそう。
藤井 仕上げによって変化を与えているものも多いですよね?
安藤 それは大型化した際の好影響だと思っています。大きいだけに外装の“アラ”が目立つので、各社仕上げの精度を高めていったんです。技術革新を経た今、小型モデルにも高い技術が注がれ、過去のモデルよりも数段美しさに磨きがかかっています。
藤井 面白い! デカ厚ブームが技術の向上を促したんですね。
[Keyword 3]仕上げの変更
BREGUET ブレゲ/クラシック 7337
K18WGケース、39mm径、自動巻き。466万円/ブレゲ(ブレゲ ブティック銀座 03-6254-7211)
繊細で高度な技の共演が腕元で堪能できる
BREGUET
ブレゲ/クラシック 7337
古くから修理や改造を重ねて使用されている手彫りの機械によって刻まれるダイヤルのギョーシェは、判読性と美観を格段に向上させるブレゲの御家芸。本作では市松模様のダミエ、麦粒のようなグレンドルジュ、そして鋲型のクル・ド・パリなどの装飾が施されたダイヤルをブルーに彩り、美しさに拍車を掛ける。一方でムーンフェイズの月の仕上げもモダンに変更し、調和の取れたオリジナルのスタイルを体現。
安藤 こうした微差の変化は、未来のヴィンテージを生むことにもなります。デニムと同様で、時計ツウは各年代の微差を大きな価値として捉えているわけです。大きく見た目が変わらないマスターピースであることにも意味があって、変わり種すぎる時計では、そもそも変化すら気付かれない可能性があります。
藤井 イバれないですね(笑)。今後もこの傾向は続きそうですから、好みのディテール変化をチェックするのが良さそうです。
 
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール、K18=18金、WG=ホワイトゴールド
MACHIO、川田有二、鈴木泰之=写真 菊池陽之介、松平浩市=スタイリング 柴田 充、髙村将司、増山直樹=文 たむら 亘=イラスト


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