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浅草に店を作れば東京全体をフォローできる

さて冒頭に記した原宿の旗艦店だが、実は賃貸契約満了のため今年3月にクローズとなっている。その後、当初4月にオープンする予定だった浅草店は、新型コロナウイルスの影響で予定が延びてしまったが、去る6月18日に待望のスタートを切った。
さてそもそもの疑問がある。なぜ浅草という場所を選んだのだろうか。カービーの説明はこうだ。
スカイツリーのお膝元である浅草にて、6月18日にオープンした「デウス エクス マキナ 浅草」。
スカイツリーのお膝元である浅草にて、6月18日にオープンした「デウス エクス マキナ 浅草」。アンテナショップという位置付けで、看板メニューの「バーベキュー プルド ポーク」(1300円)などフードも大充実だ。
「原宿のショップは、東京の西側にありました。加えて東側の浅草にショップがあれば、私たちのカルチャーを理解してくれる街である東京全体を、確実にフォローできると思ったのです」。
つまり「原宿を閉めて浅草を開く」のではなく、「原宿に加えて浅草を開く」ということだったのだ。
まずは浅草へ遊びに行こう。そして決して遠くない将来に、原宿エリアに再び旗艦店がオープンするはずだ。その際には改めて情報をお伝えしたいと思う。
「珈琲」の文字が目を引く法被(7000円)や、Tシャツ、マグカップなど、ここ限定のアイテムも多数。
「珈琲」の文字が目を引く法被(7000円)や、Tシャツ、マグカップなど、ここ限定のアイテムも多数。
「ブランドとしての今後の目標? 新型コロナウイルスの影響で、文字どおり“生き残ること”になったんじゃないかな」。
決して冗談ではないと、創設者のデアは言う。そして、補足するようにカービーはこう言った。
「生き残るためには、私たちのカルチャーを浸透させるアクティビティを続けていくしかありません。今まで以上に格好いい服をどんどん作っていきたい。また旗艦店からの発信だけではなく、さまざまなことに取り組んでいきたいですね。例えば映画を作ったり、音楽を作ったり」。
新型コロナウイルスは、ファッションに限らずあらゆる産業にダメージを与えた。もちろんデウス エクス マキナも影響を受けたに違いない。しかしながらブランドを代表するこの2人から受けるのは、自信と強さのオーラであった。
なぜ揺るがないのか。それは、カルチャーというものが本来的に備えているタフネスを信じているから、ではないだろうか。
デウス エクス マキナ 浅草
住所:東京都墨田区向島1-2-8 東京ミズマチ ウェストゾーン
電話番号:03-6284-1749
営業:11:00〜20:00 無休
https://shop.jp.deuscustoms.com
 
鈴木泰之=写真(静物) 加瀬友重=編集・文


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