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早く味わいたい超優秀スペック

「X3」のプラットフォームを使い、リアシートの下辺りに電気モーターやトランスミッションなどを一体化したユニットを配置して、後輪を駆動させる。
電気モーターの最高出力286ps、最大トルク400Nmを発揮。これは「X3」の2Lディーゼルターボの190ps/400Nmより最高出力が高く、トルクは同等という数値だ。
ただし、「iX3」のほうは静止状態から瞬時に最高トルクを発揮できることもあり、「iX3」のほうが重いにも関わらず0-100加速は「X3 xDrive20d」の7.9秒より速い6.8秒と俊足。
走行中も減速エネルギーを使ってバッテリーを充電。この回生機能は3段階あり、任意に選べる。一番回生機能の高いレベルだと、アクセルペダルを離すだけで強く減速するので、ブレーキペダルを踏む回数が減り、運転もラクになる。
さらにバッテリーの搭載位置をボディ中央のフロア下に集中。これにより「X3」より低重心化できたことで、特にヨコ方向のボディコントロール性が増している。
物理の法則上、重心が高いほどコーナリングでふらつきやすくなるが、重心が低ければふらつきが減り、その分乗り心地や操縦安定性を高めやすくなるからだ。
またラゲージ下にバッテリーを収めるプラグインハイブリッド車がよくあるが、それとは違いフロア下のため、ラゲージ容量が削られることがなく、「X3」とほぼ同等の、通常時で540L、後席を倒すと最大1560Lまで拡大できる。
そのほか、音声で音楽を掛けたり室温を調整できる「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」や、衝突被害軽減ブレーキなど半自動運転システムなど、先進技術をもちろん搭載。
リアの下回り(ブルーの部分)にも電費を稼ぐための空力パーツが備わる。
まずは2020年後半に世界最大級のEVマーケットである中国に投入され、日本でも2021年から販売されるという。意外と後輪駆動のみのSUVってそうはないし、ましてや“駆け抜ける歓び”が信条のBMW製。その楽しい走りを早く味わってみたい。
 
籠島康弘=文


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