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「時間=コスト」と考えて得たもの

テラスとリビングの床を同じ赤に統一することで全体の統一感、そして異国感が生まれた。
テラスとリビングの床を同じ赤に統一することで全体の統一感、そして異国感が生まれた。
これまで佐々岡さんは、サーフィンを通して東南アジアや、南米、アフリカをはじめ世界を旅してきた。そこで磨かれた豊かな感性は、家づくりにも確かに息づいている。
外観にも内装にも施された印象的な「赤」は、かつて彼がアフリカのとある島で見た景色がインスピレーションとなっているそうだ。
[左]水回りは部屋と同系色のモルタルでつながりを大切にした。[右]階段の手すりには海岸で見つけた流木を利用し、ここでも海を感じられるように。
[左]水回りは部屋と同系色のモルタルでつながりを大切にした。バスルームから望む景色は圧巻。[右]階段の手すりには海岸で見つけた流木を利用し、ここでも海を感じられるように。
「遠いアフリカの地で見た、あの赤い土と青い海の色彩のコントラストを表現したいという想いが強くありました。それで、雑誌で見て気になっていた建築家さんに連絡をしてリノベ全体の設計プランをお願いし、家の色の仕上げ方についてもアドバイスを頂いたんです。
イメージした絶妙な赤色にたどりつくまで時間はかかりましたね。サンプルを作ったり何度も塗り直したりと手間をかけ、ようやく納得する色になったんです」。
[左]自身で作ったというウッドテラス。このテラスについた階段を使い1階へ下りることもできる。[右]愛車はP38型と呼ばれる2代目レンジローバー。
[左]自身で作ったというウッドテラス。このテラスについた階段を使い1階へ下りることもできる。[右]愛車はP38型と呼ばれる2代目レンジローバー。屋根のラックは旅先のアフリカから持ち帰った。ラゲージルームに見えるのはサーフボードと近年夢中になっているカイトサーフィン用のギア。
驚くことに塗装は自身で行ったという。ベニヤの木目をちょうどいい塩梅で見せられる塗料を探し回り、週末返上で手を動かし続けた。そのため時間はすごくかかったが、費用はかなり抑えられたという。
「時間とのトレードオフ」という彼の言葉どおり、「時間=コスト」という考え方を貫いた結果だった。
ほかにもウッドデッキを作ったり、サッシを塗ったりと、自ら手掛けた箇所は多い。そうして本格的にリノベを開始してから3年ほどの時間を費やし、佐々岡さんは思い描いていたセカンドハウスを完成させた。


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