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好きなところで好きに暮らす時代へ

ベッドルームは2室。友達同士、ファミリー同士での利用もできる。
ベッドルームは2室。友達同士、ファミリー同士での利用もできる。
サーフィンをしていたから、ごく自然に手にすることができた海辺の暮らし。都心より安価に広い家を手にできるのはカントリーサイドならではであり、加えて自らの手を動かしコストを抑えることで貸別荘を兼ねるセカンドハウスも手にできた。そこに追い風が吹いた。コロナ禍による社会の変化である。
「僕も仕事がリモートワークになり、毎日は東京に行かなくなりました。それでも仕事は成立しているし、成立させられる社会インフラは既に整備され、サービスも登場していることがわかりました。すると今度は、好きなところで好きなように暮らすことが可能な世の中になっていく、と感じるんです。
だからこそ、この貸別荘のように自分が生み出したモノが世の中の役に立ち、人びとに利用してもらうことで我が家の経済が循環していく。そんなライフスタイルが僕の理想の暮らしなのかなと、最近は感じています」。
旅先のアフリカで見つけたテーブルはコンテナで運んできた。古いインドの扉を家具に仕立てる職人に希望の木枠を伝えることでオンリーワンの1卓が完成した。
旅先のアフリカで見つけたテーブルはコンテナで運んできた。古いインドの扉を家具に仕立てる職人に希望の木枠を伝えることでオンリーワンの1卓が完成した。
太平洋を一望できるリビングの床は、家の外と内が連続したつくりになっており、かつ同じ仕上げにしたことで、室内にいながらも外を感じることができる。
海に面する大きな窓を開ければリビングはさながら屋根付きのテラスへ。すると、ふわっと風が吹き抜けていく。この開放感は、都心ではそうは感じられない。しかも眼下にある海はサーフスポット。波があればいつでもパドルアウトすることができる。
壁や床の赤と海の青。リビングの影とテラスの光。家のいたるところで鮮やかなコントラストが楽しめる。
壁や床の赤と海の青。リビングの影とテラスの光。家のいたるところで鮮やかなコントラストが楽しめる。また陰影が特徴的なリビングには、バリ島の海の家で暗い屋内から光る海を眺めたときの印象深い記憶が宿っている。
さらに現在、佐々岡さんは近くのリバーサイドに3つ目の家を建設中。「ベトナムのメコン川沿いにあるリゾートのようにしたい」と言い、釣りやSUPなどを楽しめる場にしたいという。
こうして千葉の外房に構える複数の拠点は佐々岡さんの仕事場でありながら遊びの場に。いつも明日のグッドウェーブを夢見る未来志向のサーファーらしい、楽しさが詰まった家なのである。
HOUSE DATA
竣工:2020年 構造・規模:木造・地上2階
敷地面積:990㎡(300坪)
建築面積:132㎡(40坪)
デザイン監修:SUPPOSE DESIGN OFFICE https://suppose.jp
間取り:1階は玄関からテラスへと続く土間床の大きなリビングを中心に、小上がりと寝室、水回りの構成。2階は寝室と自身がDIYしたバルコニーが広がる。不在時は貸別荘「SECRET BREAK HEBARA」として活用中。
柏田テツヲ(KiKi inc.)、PAK OK SUN(CUBE)=写真 前中葉子、宮原友紀=文 小山内 隆=編集・文


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