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外来などでの健診で「患者さんの健康診断の数値が悪くなっている」という声を最近よく聞きます。
この原因は、新型コロナウイルス感染が続いていることで、在宅勤務により運動不足になっていること、また外出自粛のためにアウトドアスポーツができない方、飲み会や趣味の外食の代わりに自宅でお酒やおいしいご飯をいつもよりたくさん楽しむ方が増えたことではないかと考えられます。
私自身、ちょっとおいしいものを通販で買ってみたり、新作のゲームを極めてみたりしています。適度におうち時間を楽しむことはストレス軽減にもなって大変よいことですが、ひきこもりをずっと続けているとじわじわと身体にダメージが蓄積していきます。
正しい健診結果の読み方
いま身体がどういう状態か、を正確にみられるのが健康診断です。健診結果は専門用語も多く一見複雑ですが、項目の意味は案外わかりやすいものです。
前回の結果と比べてどこがいいか悪いかがわかれば、生活習慣を見直す機会やご自身や家族の健康を守ることにつながります。いつも数字が基準値より高いか低いかをなんとなく見ておしまいにしている方も、この機会に正しく自分の健康を見直していただけたらと思います。
今回は生活習慣病の代表格である「脂質異常症」「糖尿病」について、正しい健診結果の読み方をお伝えしたいと思います。
まず脂質異常症についてですが、中性脂肪が高いこと、LDL(悪玉コレステロール)が高いこと、HDL(善玉コレステロール)が低いことのいずれか1つでも当てはまれば「脂質異常症」と呼ばれます。
脂質は脂肪酸とコレステロールに分けられ、食べ物から摂取します。ここで注意したいのは、同じ脂肪といっても脂肪酸とコレステロールは化学的な構造がまったく異なる物質ということです。
脂肪酸がグリセロールという物質に結合します。これを中性脂肪(トリグリセリド)と呼びます。脂肪酸が3つ、つまりトリオでくっつくので「トリ」グリセリドとも呼ばれます。英語表記ではTriGlyceride、略してTGと書きます。
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