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B to BからB to Cへの移行が追い風に

—スタイルの多様化に伴って、キャンプギアを扱うブランドの増加、多様化も進んでいます。
「たしかに、その通りです。規模の大小に関わらず、一時期の価格競争とは違い、個性的で高品質なギアを作るブランドが増えていますね」。
—そのような状況下で、ogawaならではの強みとはどのような部分でしょうか。
「1914年創業と歴史が長く、その間に培ってきたノウハウが武器です。ひとつは、日本の気候風土に合った素材や構造を長年研究・開発してきた積み重ね。うちの製品はどれもその経験を落とし込んで、日本のアウトドアに合わせて形作られています。また、クラシックなロッジ型のテントなど、過去のモデルをソースに新製品を展開することもできます」。
camp gear note
創業から100年以上に渡り、さまざまな形や用途のテントを手掛けてきた。ブランドの詳しい歴史についてはこちら
—逆に老舗ならではの弱みはありますか?
「以前は、良くも悪くも老舗らしさのある職人気質なブランドでした。流行に対するレスポンスが遅く、販売は卸だけだったので製品の良さをお客様に伝えきれていなかった。現在は直営店を5店舗持ち、店頭で直接いただいたお客様の意見を製品に反映できるようになり、私たちの弱点は改善されつつあります」。
—なるほど。確かに従来のogawaは質はいいけれど、ちょっと敷居の高いイメージがありました。
「今は直営店やオンラインなど、どこのブランドも販売チャンネルが増えてきている。その中で、B to Bではなく、B to Cの売り方は非常にogawaに合っています。うちは高額な製品も多いのですが、品質の良さや機能性を説明して、なぜこの値段になるのかをきっちりと伝えることができるのはB to Cならではのメリットです」。
—店には大型テントの展示もあり、設営も体験できる。やはりいちばんいいのは実物に触れてもらうことでしょうか
「そうなんですよ。テントに入った感覚などは、実物に触れなければわからないこともたくさんありますから」。
camp gear note
直営店では、広々とした店内に大型テントを設置。中に入ったり、立ててみたりと実際の使い心地が体感できる。


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