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青を纏ったクロノグラフの最高峰

複雑機構の花形であるクロノグラフの製造は、いつの時代も変わらずパテック フィリップの技術開発者たちの創作意欲を掻き立てる特別な存在だ。
「スプリット秒針クロノグラフ 5370P」/パテック フィリップ ジャパン
「スプリット秒針クロノグラフ 5370P」PTケース、41mm径、手巻き。2866万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン 03-3255-8109)
センターに備えた2本のクロノグラフ秒針により、2つのラップタイムを同時に計測、記録できるスプリット秒針クロノグラフは、ミニット・リピーター、トゥールビヨンと匹敵するグランド・コンプリケーションの最上位モデルにあたる。
とりわけムーブメントの開発は困難を極める。
「Ref.5370P」の特徴的なディテールのひとつとして挙がるリュウズのプッシュボタン。
1923年から腕時計用のスプリット秒針クロノグラフを製造しているパテック フィリップでさえ、2005年に発表された「Ref.5959P」で初めて自社ムーブメント搭載に成功したのだから、難易度の高さは言わずもがな、である。
鮮やかな色彩の七宝文字盤は昔ながらの質感と現代的な強度を兼備する。
「Ref.5370P」では5年ぶりの新作となるこちらは、パテック フィリップの伝統から生み出されたブルーの本七宝文字盤を採用し、アリゲーターのベルトもブルーでまとめた。
どこかカジュアルな雰囲気を漂わせ、傑作に新たな側面を加えている。


4/4

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