活用して家に稼がせれば多拠点暮らしは現実味を帯びる
家を買う。それは長期の住宅ローンを背負うことと同義。仕事はやめられず、移動の自由も失われる。家購入は夢である一方、ネガティブな要素も孕む。セカンドハウスとなればなおさら。しかし「活用すればいい」と吉田さんは軽やかに言う。
「家の購入にはいい面とそうでない面に挟まれ多くの人は悩みます。セカンドハウスは、使っていないときはどうしよう、という悩みがついてまわる。
でも今は活用の仕方がいろいろあり、Airbnbで部屋を貸すような宿泊施設だけでなく、弊社の事務所みたいにスペース貸しをしたり、雑誌などの撮影に使ってもらったりと、活用の仕方次第では不在時にお金を生むこともできます」。
谷尻さんも続ける。「自分の財布のなかに1000円しかないと800円の家を建てるもの。でも1000円しかないけれど、どうにか1200円の家を建てて、かつ毎月500円の収入を得られる家にする。そうすればもっと安心して家を手にできると思います。
セカンドハウスにしても、不在時が多いのならその時間に稼げる仕組みを考えて建てたほうが建設的。自分の財布の事情は社会状況によって変動することが今回のコロナでわかったのだから、いざというときに保険となる建て方にする。
ローンが少ないほうが安心感を抱きがちですけど、ローンが高いのにより安心という考え方もあるんですよね」。
家は一生の買い物。都心に近いほど値崩れしにくく安心。そういった長く囁かれてきた価値観から自身を解放できれば、手にできる家の選択肢は広まり、多拠点暮らしも視野に入ってくる。
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