まずはデニムの問診から
2本のデニムはいずれも“生の状態”から数年間はき込んだものだ。「デニムはガンガンはく」信念から、これまで特別なケアはせずに付き合っていた。
1本目は、今も現役で活躍中のコチラ。
3~4年前に手に入れたもので、カットオフデニムが流行った頃に丈詰めを兼ねて自分で裾処理を行った。2年ほど集中してはき込んだが、最近は着用頻度が減っている。
多少裾がほつれ始めてはいるが、致命的なダメージは見当たらない。
続いて、2本目のデニムの履歴について述べていこう。
70年代のデッドストックのデニム生地を使っている一本はそれらしい色落ちに育ってはいるが、劣化がかなり気になる。特に両面に穴が開いているため、はくにしろ、洗うにしろ、その都度リスクを伴う。それゆえ、今はクローゼットの中で休眠中。
色落ちにアタリ、処々に刻まれたダメージは言わば“オーナーの履歴”そのものだ。その唯一無二の「味」はそのままに、汚れだけを取ってほしい。わがままなリクエストに高野さんはこう答える。
「その気持ち、よくわかります! では、風合いを残したまま汚れをしっかり落とせるメニューを検討しましょう!」。
なんだかすっごく頼りになるぞ。
3/5