ちょっと動けば汗がドバッ。高温多湿の日本において、梅雨時季から秋にかけての数カ月間は、暑さと湿気との戦いだ。特に雨が降った日にシェルアウターを着ようもんなら、服の中がどしゃ降り。
そんなときのサポート役が、空調機能を搭載したファン付き服。「どうせ格好良くないんでしょ」と思った諸君、今年はどうやら事情が違うらしい。こんなセンスのいいファン付き服を見れば、納得なんじゃない?
涼しい顔して、楽しめファッション!
“体に最も近い道具”をコンセプトに掲げる「ミーンズワイル」。彼らが“ファン付き服”業界を牽引する企業「空調服」とタッグを組み、超機能的で格好いいジャケットを作り上げた。
ジャケットにはファンから外気を取り込み、気化熱で体を冷やす機能を搭載。防水透湿機能が備わったナイロン地を採用し、軽やかながら丈夫な作りとなっている。
実はこれ、フードのついたベストがベースになっている。
その上に、袖とファンカバーが一体化したパーツを重ねると……こんな感じ。
ファン部分に雨避けカバーを付けたおかげで、パッと見ではファンが付いていることはわからない。高い機能性と普段使いしても違和感のないタウンユースな見た目を両立したのだ。これがあれば、涼しい顔してお洒落を楽しめる。
手のひらまで冷やす、空調ウェア
お次は、日本が誇るスポーツブランド「アシックス」から届いた一着。
空調服をつくる「セフト研究所」と共同開発したこちらは、腰部分に2基の小型ファンを搭載。衣服内に取り込んだ外気を首元や袖口から排出してくれる。
ジャケット内に空気の流通経路を形成することで、なかに溜まった汗を気化させ、湿った空気を効率よく外に逃してくれる。風量の強弱は2段階に調節可能だ。
両サイドに施されたスリットに手を入れると、衣服内に流れる“風”に触れて涼しさを感じられる。これは、熱を感知する神経が集中する手を冷やすことで体全体が冷たく感じる「ハンドクーリング理論」を応用したものだ。スリットの内側に施されたパイル生地は手のひらの汗を吸収してくれて、至れり尽くせりってワケだ。
これまでのファン付き服の常識を覆す、2つの選択肢。次世代の夏服として注目するのは、あながち間違いじゃなさそうだ。
POW-DER=文