【1本目】夏の“Tイチ”を粋に見せる存在感
「最近よく掛けているのがコレ」と真っ先に挙げたのは、8mm厚の肉厚フレームが目元に力強さを与えるアヤメの逸品。
Tシャツが主役となるこれからの時季、危惧されるのはスタイリングの淡白さである。すなわち無個性へと陥りがちだが、「Tシャツ一枚でもこれならなぜか様になる」と太鼓判を押す。
「とにかくどんなスタイルにも不思議とフィットする。そして、どことなく洗練された雰囲気を作ってくれるんですよね」。
肉厚なセルフレームは、インパクトを強める反面、合わせ方次第では野暮ったくも映りかねない。しかし、このキティは、フロントの両サイドにカッティングを入れて丸みをつけており、ボテっとした印象をうまく解消してくれている。
「友人でもあるビームスのコミュニケーションディレクターの土井地くんが掛けていたのを見たのが購入のきっかけ」と語る一本。その見立てに狂いはなかったようだ。
【2本目】掛けたときのギャップに惚れ惚れ
「最近はもっぱらセルフレーム」と話す橋本さん。その言葉は、今回紹介した3本を見ても納得。なかでもこれは、一見の見た目と掛けたときのギャップにやられて購入を決意した。
「5〜6年前のブランドの展示会だったと思います。コレクションも当然素晴らしかったのですが、ふとこのサングラスが目に留まりました。試しに掛けてみたところ、一見クラシカルな佇まいなのに野暮ったさは感じられず、むしろモダンな雰囲気。さすがだなぁ、と思いましたね」。
タイプとしては誰もが手に取りやすいオーソドックスなボストンタイプで、玉型は大ぶりで濃厚なレンズカラー。どこか懐かしさすら匂わせる出で立ちも、ひとたび掛ければ古めかしさは微塵も感じさせず、モードな雰囲気さえ漂う。
絶妙な塩梅で今と昔を表現したこのアイテムに、ブランドの底力が見える。
3/3