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ポルシェ愛に溢れたマイスターによるアフターサービス

空冷ポルシェのオイル漏れを起こしている場合が多く、入念なエンジンオーバーホールを行う。
空冷ポルシェはオイル漏れを起こしている場合が多く、エンジンは入念なオーバーホールを行う。
「クラシックポルシェの整備はひと筋縄ではいかない」とは、好きモノの間ではある種の常識。
ポルシェセンターに在籍するワークショップマネージャーの菊池 剛さんもそう頷く。
このタイヤも再生産されたパーツである。溝も当時を再現しているが、素材をアップデートすることでスペックの向上を図った。
「ポルシェの整備は、楽器の調律に近いものがあると思います。単純なパーツの交換ですら人の手による調整が必要になるため、最後の最後は感覚的な部分がものを言う。旧車であれば、なおのこと。ポルシェは、すごく人間味のある車なんですよ」。
菊池さんを含むポルシェ クラシック マイスター3名が常勤しているポルシェセンターでは、さまざまな形で修理に対応してくれる。
リアフェンダーの修理で持ち込まれた1970年製の「911 T」。
「クラシックカーの場合、同じコンディションの車両は一台たりともないわけですから、ひと口にレストアといってもニーズは多岐に渡ります。
基本的には、不要なパーツ交換は避け、オリジナルに近い状態に近づけるのが理想です。
総剥離から全塗装が完了した「356 C」。ここからがマイスターの腕の見せどころだという。
古い『356』でもいろいろと対応できますし、かなり難しい修理だとしてもスペアパーツが揃っていれば条件が変わってきますよ。
ただし、『959』などの極端に生産台数が少ないモデルがくると、さすがに骨が折れることもありますね(笑)」。
レストアが完了し、納車に近い状態の「356 C」。整備士、オーナーともに、徹底して仕上げにこだわっていることが窺える。
楽しそうに話す菊池さんの屈託のない笑顔はまるで少年のようだ。


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