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クラシックポルシェが今も街を走り続けている理由

「クラシックポルシェのオーナーは40~50代の男性が圧倒的に多いですね。こちらにふらっと来てクラシック系に興味を持っていただく方も年々増えていますよ」とは先ほどの入江さんだ。
※非常に良いコンディションで入荷した356 SC。
グッドコンディションで入荷した「356 SC」。復刻されたパーツも駆使して整備を行っている。
店頭に並ぶ「356 SC」などの名作を目の前にすると、クラシックポルシェに惹かれるのも必然と思えてくる。
「ここでのサービスを通じて我々が認識したのは、日本には良質なクラシックポルシェが多く残っているということです。『911』に比べると明らかに数が少ない『356』が、これだけ市場に出てくることは予想外でした。
1964年製のポルシェとは思えないトータルコンディション。
1964年製のポルシェとは思えないコンディション。
仕入れについては当然、オリジナルであることにこだわっています。とはいえ、すべての個体をフルオリジナルで見つけるなんて現実的ではありません。そこで、ポルシェではオフィシャルのスペアパーツを用意しているんです」。
丸みを帯びたフォルムとグリルの形状は「356 SC」ならでは。
用意するパーツの種類は、ボディのパネルといった大きなものから、溝まで忠実に再現したタイヤ、年式に合わせたオイルやビスに至るまで、5万2000以上に及ぶという。
「スペアパーツは、本国ドイツの倉庫にストックされています。これらは、かつて提携していたサプライヤーから取り寄せることもあれば、新たな供給源の開拓、あるいは再生産することで補充しているんです」。
再生産で蘇った996型911用燃料ポンプ(奥)と928用サイドマーカー(手前)。
再生産とは言い換えれば“復刻”だ。一時は不要となったパーツも必要であれば現代に蘇らせる。代替品に頼らない純正パーツの安定供給が、安心・安全なクラシックポルシェ・ライフを叶えているのだ。


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