緊急事態宣言が解除されたとはいえ、観光地や飲食店、レジャー施設などにかつての賑わいが戻るまでにはまだ時間がかかるだろう。
そして、新型コロナウイルスの影響を受けているのは、最前線に立つ人たちだけではない。例えば飲食店で言えば、そこに食材を提供する生産者だって苦しんでいる。
そんな今、この課題を解決するためのプロジェクトが話題になっている。小林武史さんが代表を務めるap bankが立ち上げたポータルサイト「GREAT FARMERS to TABLE」だ。
「GREAT FARMERS to TABLE」は、これまでほとんど接点のなかった生産者と消費者をマッチングさせることを目的としている。飲食店の営業自粛により廃棄せざるをえない食材を、消費者に直接届けることで有効活用するのが狙いだ。
プロジェクトには、数々の名だたる一流レストランのシェフが“推薦者”として参加している。彼らが自らのお店でふだん仕入れている食材を、我々に紹介してくれるのだ。それぞれの食材に対するシェフたちのコメントを読んでいると、いかに生産者を信頼しているか、その仕事をリスペクトしているか、深い結びつきがよく分かる。
野菜、畜産、水産、調味料や飲料など、ラインナップは実に多彩。すでに食のプロフェッショナルたちが吟味済みとあって、そのクオリティは言わずもがなだ。グルメファンなら、「あのレストランで使われている食材を、まさか家で楽しめるとは!」と気分がアガることだろう。
苦境に立たされている第一次産業を支援しながら、日本の豊かな食文化をあらためて実感する。「GREAT FARMER」たちの深い情熱が、家での料理をもっと贅沢で華やかなものにしてくれる。
[問い合わせ]GREAT FARMERS to TABLEhttps://greatfarmerstotable.com/中山秀明=文