「時短ケアのススメ」とは……例えばだ。ひさしぶりに子供とサッカーをして「格好良いところを見せたい」と張り切り過ぎた挙句、アキレス腱をやってしまった、なんてのは少し大げさかもしれないが、その原因が運動不足によるふくらはぎの劣化にあるとしたら、誰にでも起こりうる可能性はある。
今回はふくらはぎの筋力と柔軟性を時短で取り戻すエクササイズを紹介する。
【教えてくれる人】新田幸一さん高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。
アキレス腱断裂の原因は硬いふくらはぎにあった!
アキレス腱を断裂してしまう原因のひとつに、運動不足によるふくらはぎの筋肉の硬さや筋力不足がある。ふくらはぎは、「腓腹筋」「ヒラメ筋」というふたつの筋肉で構成されており、それらがアキレス腱につながっている。
腓腹筋とヒラメ筋が硬いとアキレス腱が過度に引っ張られ、最悪の場合、断裂してしまう、というわけだ。特に、運動を普段していない人が、しっかり準備運動もせずに張り切ってしまうと要注意。
「ふくらはぎには常に大きな負荷がかかっています。ジャンプをして着地をしたときには、1tくらいの負荷がかかるとも言われているんです。ふくらはぎは衝撃を緩和するクッションのような役割を果たすので、そこの柔軟性が失われると、1tの加重がもろにアキレス腱にかかってしまいます。体の中でいちばん太く、強靭な腱であるがゆえに、一度切れると回復するまでに時間がかかるし、脚の動きがぎこちなくなるので、サッカーのドリブルなんかもしづらくなってしまいますね。それに捻挫もしやすくなります」。
そもそも筋肉と骨をつなぐ部位である「腱」は、硬くてほとんど伸び縮みできない特性がある。
「だから負担も大きいんです。でも硬いのには理由があって、腱が柔らかいと足首などの体のジョイント部分がブラブラになっちゃって安定感が失われます。そこを筋肉がフォローしてるので、筋力と柔軟性はつけておいたほうがいいんですよ」。
2/2