2020年の最新モデルは初の“アナログ表示”
デジタル技術の進化とともに、スマートウォッチの登場で腕時計の世界も大きく変わりつつある。「フロッグマン」も、トリプルセンサーをはじめ海難救助のプロフェッショナルユースにも応える本格機能を備え、ダイブコンピュータとの明確な棲み分けをしつつ、ひとつの頂点を極めた。
そのうえで最新作が新たに採用したのが、初のアナログだったのだ。そこにはこれまで培ってきたダイバーズに対する深い知見が感じられる。
時計におけるデジタルとアナログの表示には、時間を点として捉えるか、線として捉えるかの違いがある。数字で表された時間はその瞬間であるのに対し、針が示すのは途切れることのない連続性でもある。
時刻だけでなく、経過した過去とこれから先の未来の時間を感覚的に読み取る。それはダイビングという非日常において、今を把握し、どのように判断し行動するかを推察する大きな指針となる。
そこであえてアナログを選び、機能は潜水時間や水面休息時間、潮汐情報などに絞ることでダイバーズの本質を追求したと言えるだろう。そのうえでスマホと連携する最新のスマートリンク技術を備え、スタンドアローンからコネクテッドへの新境地も拓く。
こうして従来のシリーズに、フルアナログ表示というベクトルを加えることで、フロッグマンの世界はさらに確立したのだ。
「丘ダイバーのためのダイバーズウォッチ」とは……ダイバーでなくとも、ダイバーズウォッチは好きでいい。だって、問答無用に格好いいのだから。しかし、知識までも“丘ダイバー”にならないよう、知るべきことは知っておこう。ダイバーズウォッチの深〜い世界に、潜水開始。
上に戻る 柴田 充=文