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【1本目】クラシックだけどスタイリッシュ

アヤメの「ボストン」
モノづくりの姿勢に共感するという、アヤメの「ボストン」。
2000年初頭には、太めの力強いセルフレームが一世を風靡したが、ここ最近は“細セル”へと潮目が変わってきた。レンズカラーも、今やペールトーンがもっぱら。藤井さんも以前から、やや小さめかつ細身のフレームで、薄色のレンズを物色していたところアヤメへと行き着いた。
「アヤメはとても細かいところまで計算し、プロダクトへ落とし込んでいる。そんなモノづくりにも共感します」。
フレームの一般的な呼び名をダイレクトにモデル名へと反映させたこちらは、ブランドのテーマでもある“温故知新”を地でいくような一本だ。
ボストンの由来は、アメリカ東海岸のエリート学生たちが愛用したことから彼らと縁のある地名が付けられたと言われている。
伝統的フレームではあるが、アヤメの場合はブリッジラインをやや上目に設定することでブロウラインがまっすぐに見えるため、従来のものと比較すると玉型が強調されず、顔へすんなり溶け込むように設計されている。リボン型の鋲や、太→細と変化をつけたテンプルもアクセントとなり、横のラインをスッキリ見せる。
しかも、「こちらは目が透けるくらいのブルーレンズですから、より自然に掛けられます」とのこと。
 

【2本目】小さなメタルが大きな違いを演出

ブランのオブセッション ヴィンテージ
ブランの「オブセッション ヴィンテージ」。
プラスチックとメタルのコンビフレームは、プラスチックフレームの強めな印象を残しながら、メタルによるシャープさ、知的さもアピールできるクラシックメガネの代表格。ブロウラインのみプラスチック、またはテンプルのみがメタルというのが一般的ななか、藤井さんの2本目はブリッジのみがメタルという変わり種。
「ちょうど鼻に当たる部分が金属のものを探していました。すんなり鼻に引っかかってくれるのと、フロントデザインにメタルが入ることでまた違った印象にもなりますね」。
確かにクリングスを配したこちらは、フィット感を調整しやすく顔への収まりもいい。しかも、オールプラスチックのフレームに比べ、適度に軽やかさも感じられる。
「“軽さ”はこの時季、うれしい要素。しかも、このミックス感がどこか大人っぽいんですよ」。
一般的なコンビフレームではクラシック特有の野暮ったさが漂いがちだが、なるほどこちらはどこかスマート。右に倣えなセレクトが多くなりがちなサングラスのなかで、さりげなく個性を演出するには格好の一本かもしれない。
 

【3本目】グラスコード付きの渾身作

金子眼鏡×ノンネイティブのドゥエラサングラス
金子眼鏡×ノンネイティブの「ドゥエラサングラス」。
「温かい場所へ行ったりすると、当然、日除けの意味でもサングラスは必須。そんなときに掛け外しが簡単なアイテムが欲しかったんですよね」。
そんな自身の思いを120%注ぎ込んだのがこのモデル。ノンネイティブではもはや定番化されている金子眼鏡との共作だ。冒頭のプロフィール写真で掛けていたのもこれで、ハンドメイドにより一本一本仕上げられた作品は、その自然な掛け心地に職人たちの技術の高さが伺える。
そして、程良いボリュームのセルフレームが目元のワンポイントに効果的で、ベーシックなウェリントン型は誰もが手に取りやすい。そこへ、さらなるひと手間を加え、より利便性を高めた。
「定番のサングラスにグラスコードをプラスし、首から下げられるようにしました。これなら着脱のためにわざわざバッグやケースから取り出す煩わしさもなくなりますし、何よりサングラスにありがちな、どこかへ置き忘れる、といった心配もないですしね」。
 
着る、履く。そんなワンツーで完成してしまう夏のコーディネイト。簡素な姿に、雰囲気を決定付けるサングラスはことさら重宝する。そこに作りの良さまで感じられたら……これ、最高じゃない?
「夏のサングラス3本勝負」とは……
いよいよ到来、ギンギンぎらぎらの夏である。そうなると欠かせないのがサングラス。ファッションとしても、紫外線から目を守る道具としてもマストな外出時のアイテム。センスのいい大人たちはこの夏、何を掛けるのか? お気に入りの3本を見せてもらう。
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菊地 亮=取材・文


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