欧米映画にもテリークロスのバスローブはイヤというほど出てきます。しょうがないんですな。日常生活に欠かせぬ一部なんですから。
フランスのヌーヴェルヴァーグ映画の最高傑作、ゴダール監督の『勝手にしやがれ』でも主人公ミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)がアメリカ人のガールフレンド、パトリシアのアパルトマンに転がり込み、一夜を共にする。ミシェルがベッドで着ているボールドストライプのバスローブが海を連想させてくれて実に爽やかだ。
バスローブというと、つい白とかサックスブルーのような「水」と関連する色を選んでしまいそうだが、逆に家だからこそ大胆な色柄が着られるという楽しみもある。ちなみにこのローブはパトリシアのものじゃないのかなあ。
ミシェルのようにパジャマ代わりに着てしまうこともあれば、コーエン兄弟のカルト作『ビッグ・リボウスキ』ではロサンゼルスのヒッピーくずれのデュード(ジェフ・ブリッジス)がVネックの白Tシャツとブラックウォッチのバミューダショーツ上にバスローブを羽織り、一日中そのカッコで生活している。
いかにも定職もないスラッカー(怠け者)、デュードらしいのはこの写真のように近所のスーパーまでローブ姿で買い物に行ってしまうところだ。また、スーパーの店員が見向きもしないところが’90 年代のロサンゼルスらしくユルユル。
デュードに倣ってTシャツ+ショートパンツ、サングラスにサンダルというノンシャランなスタイルを基本にするのはどうだろう。ローブの色を黒やネイビーにすればぐっと都会的にもなる。日本の夏はロスと違い夜も暑いので、タオル素材は薄くて軽いものを選ぶこと。また、シャツで使うコットンブロードや麻を使ったローブも軽快ですな。
ちょっとキワもの感があるけど『ファイトクラブ』でブラッド・ピットが着ていたマグカップの柄が入ったローブもぼくは忘れられない。鍛えぬかれた肉体のテロリストがなんであんなカワイイ系を?とだれでも思うだろう。でも魅力っていうのはそんなギャップから匂い立ってくるもんなんだ。
3/3