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2020.06.17

かぞく

スポーツドリンクは万能ではない。子供のスポーツに適した水分補給の正解とは?


「子供のスポーツ新常識」とは……
現在のスポーツ科学において「運動中こそ水分補給をしなくてはいけない」ということが当たり前となってきました。
子供の場合でも、それは同様です。オーシャンズ世代の皆さんが子供の頃とはずいぶんと様変わりしているわけですが、では実際、スポーツや外で遊ぶ子供にどんなタイミングで、どのように水分補給をさせれば良いのでしょうか?

水分補給のキモはタイミングと量

運動中に「水を飲みたい」と感じるのどの渇きは、汗をかく(体液を失う)とすぐに引き起こされるわけではなく、やや遅れて感じ始めることがわかっています。
また、飲んだ水分が胃を通り、小腸で吸収されるのに20分程度の時間がかかりますので、運動を開始する前にある程度の水分(子供であればコップ1杯程度)をあらかじめ飲んでおいたほうが、体にも優しく良いパフォーマンスにつながりやすいと言えます。
のどの渇きを感じたとき、コップ1杯(200ml)程度の水を飲むだけで、のどのセンサーから「水が入ってきた」という指令が脳に伝えられることで渇きが止まります。
このシステムはあくまで、多量の水を飲んでしまうことで血液が薄まり過ぎてしまうのを防ぐためのもの。多量の水分摂取によって血液中のナトリウム濃度が低下すると、体調が悪くなり、ひどいときには命に関わる事態になることがあるからです。
しかし、子供が高温多湿の環境で運動している場合、実際は運動前のコップ1杯程度の水では補い切れず、脱水が進行してしまう可能性があります。多量の汗をかいているときやそのあとには、少量の水を飲んで「のどの渇きが止まった」と感じたとしても、2杯程度プラスして飲ませたほうがいいでしょう。
ただし、水“だけ”だと3時間以内にすべてが尿として排泄されてしまいますので、適切な水分補給ができたとは言えません。これを防ぐためには、体液成分を補う意味でナトリウムを含むスポーツドリンクをコップ2杯程度、摂取するのが望ましいと考えます。つまり運動前に水を1杯、運動中や運動後にスポーツドリンクを2杯飲ませてあげるのがちょうど良い、ということです。
また、運動前後に体重を測ることも水分不足を防ぐのに効果的です。運動中にどれくらい汗をかいているのかを知り、それに見合った量の水分を補給するのが基本です。
しかし、実際は運動前に少し水分を摂取しておき、なおかつ運動中にも適宜、出た汗に相当する量を飲みながら体を動かすのが、脱水症などの体調不良を防ぐうえでより良い方法と言えます。もし運動中に十分な水分を摂取できなかった場合は、終了後すぐに飲ませることを強く勧めます。


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