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屋根のない、ひとり乗りの側のシートはレーシングカーのコックピットのよう。体にピタリと沿うシートは、着座位置も低く、目の前のステアリングを握れば自然と気持ちが昂ぶりそう。
一方反対側は、シートに座ってガルウイングドアを降ろすと、まるで心地良いカプセルに収まっているかのようなくつろぎ感を得られるという。ステアリング(のようなもの)はあるが、自動運転モードが備わっているので、運転といってもスイッチをタッチするだけ。
シートに備わるマッサージ機能を使いながら良質な音環境で好きな音楽を楽しんでいる間に、目的地へと快適に到着できる。

2つの車をひとつにするという、ユニークなアイデアから生まれた「DS X E-TENSE」。環境問題と市街地交通の将来的な課題を一度に解決できるこのコンセプトカーを、決して遠くない未来である「2035年のドリームカー」であるとDSオートモビルは紹介した。
また車名の「E-TENSE」は、DSオートモビルのEVやPHEVなどの電動車に添えられるサブネームになった。
2035年。あと15年か…… などと思っていると世の中の流れに取り残されるかもしれない。
左はEVの「DS3クロスバック E-TENSE」、右はPHEVの「DS7クロスバックE-TENSE」。
2019年10月、DSオートモビルはヨーロッパでブランド初となる電気自動車「DS3クロスバック E-TENSE」の発売を開始した。1回の充電での航続可能距離は430km。自動運転レベル2以上の先進機能を備える。既に「E-TENSE」は実用車としてヨーロッパの路上を走り出しているのだ。
となると2035年のドリームカーも、夢のまた夢ではなさそうである。2020年に生まれた我が子が15才になる頃には、車はもっと面白くなっている、かもしれない。
 
籠島康弘=文


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