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KITHもSNSも……世界を虜にしたブランド

2015年にリローンチしたアシックスタイガーは、海外から火がついた。
「ニューヨークのKITH(キース)やスコットランドのハノン、ロンドンのフットパトロール、オランダのパタ、スウェーデンのスニーカーズエンスタッフ……数々の有名スニーカーショップが手掛けたゲルシリーズの別注モデルが、ことごとく売れていました。この盛り上がりを受けて、我々はブランドの整理を行った。
競技者向けのハイパフォーマンスシューズ=アシックス、よりファッション性の高いモデル=オニツカタイガー、そしてゲルを核にテクノロジーとデザインを兼ね備えたライフスタイル向けのモデル=アシックスタイガーに再構築したんです」(マーケティング統括部・大坪洋士さん)。
KITHとのコラボレーションモデル。ゲルライト III誕生25周年を記念したもの。
海外のスニーカーギークはなぜ、ゲルシリーズに目を付けたのか。
ハイテクスニーカーが空前のブームとなった90年代、競合他社がストリートカルチャーにも色気を見せるなか、アシックスはあくまでパフォーマンスシューズとして展開した。そんな愚直なブランドは弁護士や医者といった層に受け入れられ、廃れることなく売れ続けた。
ゲルシリーズを下支えしたのがゲルライト IIIやゲルカヤノ トレーナーだった。その稀有な存在にKITHのロニー・フィーグをはじめとしたクリエイターが注目したのだ。
私事で恐縮だが、僕が初めて親にねだって買ってもらったスニーカーは、ネイビーのアッパーにホワイトのアシックスストライプが入った一足だった。その色使いはもちろん、地を這うようなシルエットが気に入ったのだが、今は小学生の自分を褒めてやりたい気持ちでいっぱいだ(笑)。


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