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ルームウェアもさることながら、外での装いや書斎のインテリアなどどこまでもクール/『シークレット・ウインドウ』のジョニー・デップ
ルームウェアもさることながら、外での装いや書斎のインテリアなどどこまでもクール。 ©️Album/AFLO
次に主人公モートのファッションを見ていきましょう。劇中の彼からは3つのコーディネイトが見て取れます。いちばん印象的なのがボロッボロのガウンにヴィンテージなオートミール色の深めなヘンリーネックT、そして当時話題になったジェームズ・ディーンとお揃いだというジョニー私物のヴィンテージのウェリントンメガネ。これがこの映画を印象づけるジョニーの巣籠りスタイル決定版。
ボクはこのボサボサ金髪に穴の開いたガウン、中途半端な渡り幅のパンツスタイルの彼を見たとき、その存在感がグランジの雄、カート・コバーンと重なってしまったのです。カートもわりと日常的にパジャマでステージ、ガウン常用など、基本的に「部屋着でROCK」なスタイルですよね? だから巣籠もりジョニーと被ったのかな、なんて思います。
’04年配給というのもキモで、当時、ぼんやりと1990年代を総括する!というようなブームがあり、その波に乗ってジョニーのキャラづくりの一部にカートの影を感じさせたのではないか、なんて想像してしまいます。
もしボクがUber Eatsのバイトくんだったとして、ジョニーの家に配達。ノックのあとにこのガウン姿で出てこられたら、その無造作でいてイケてる生活感に、相当にシビレるだろうなと思います。「そこに置いといて」なんて言われたら、格好良さのあまり、のけぞりながら、ハイ!って返事してしまいそう。
そして、この着用しているガウン、色がいいんです。あとで触れますが、巣籠りした別荘が何とも’50〜’60年代のヴィンテージカントリースタイルなので、この空間にジャストミートな色艶なんです。劇中で一瞬映り込むのですが、実はこのガウン、浮気したヨメが着ていたものなんです。この、ほのかに引きずってる感も嫌いじゃない。


3/3

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