ビーチや川沿いをせかせか歩く人はいない。あれは不思議ですね。
街なかで散歩するよりも、誰もがずっとのんびりしている。立ち止まって深呼吸したり、行き交う船や遠くの島を眺めたり。水辺に行くととてもリラックスできるのだ。
さてこのエルメスのバングルの名前は「ウェーブ」、すなわち波である。
波の動きからインスピレーションを受けたという有機的な造形を眺めていると、どうしたって触りたくなる。
それは水辺で訳もなく水に触れたくなる感覚と、とてもよく似ていると思う。いわば手元に水辺がある感じ。悪くないよね。
もうひとつは写真を見ればわかるとおり自宅でプールという提案だ。そんな話は現実味がない? そう言いたい気持ちはわかるが「小型自動車1台分の価格でプールのある暮らしが手に入る」と聞けば、少しは耳を傾けてもらえるだろうか。
こちらの「iPool(アイプール)」はオーストラリア発のプール商品。自宅に合わせてさまざまな形状と深さでデザインしてくれるという。打ち合わせ、見積もりを経て着工へ。プール形状にもよるがおおよそ1カ月半で完成となる。
実はメンテナンスも簡単で、普段は落ち葉やゴミをネットですくうだけ。プール内はロボットが清掃してくれるし、水はろ過システムにより365日きれいなままに保たれる。
我々の心の安らぎは水辺とともにある。そしてアプローチは違えどそれは案外簡単に叶う、というわけだ。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文