ゆっくり走るよりも、しっかり汗をかくほうが気持ちいい
武田さんの場合、デザインの仕事で培った「我慢強く向き合う」気質が走ることに向いていた。そして日々のランニングで得られる小さな成長の経験が、成果を数値化しにくいデザインの仕事に向かう姿勢をよりアップデートしてくれている。
春夏・秋冬と大きなシーズンの波のある仕事だが、どんなに忙しくてもランニングは欠かさず、週1回は走るようにしている。朝方に駒沢公園まで行って帰ってくるのが定番コースで、繁忙期には南青山のオフィスから自宅までの帰宅ランを行うことも。走るペースはキロ5分を切るくらい。
「ゆっくりジョグをするのは得意じゃないというか、そんなに好きじゃなくって、一生懸命走って汗をかいたほうが気持ちいい。今は世田谷に住んでいるので、地元で行われる世田谷246ハーフマラソンでタイムを出すことをひとつの目標にしています。東京マラソンも走ってみたいですね。走り始めてから、自分の中でデザインに対する満足度、腑に落ち具合が変わりました。だからランニングは今後も続けていきたいですね」。
年に2度の展示会が終わったあと、ファッションとは直接関係のないバケーションに出かけてリフレッシュするのがここ数年のルーティンだとか。
「海外のビーチリゾートで海沿いを走るのが最高なんですよね。このルーティンも続けていきたいです」。
また、走り始めてからは、それまで興味のなかったランニング関係のアイテムをコレクションするようになった。それらはデザイン面でインスピレーションソースになることもあるという。デザイナーならではのランニングギア選び、気になる! 次回はそのあたりを聞いてみよう。
RUNNER’S FILE 11 氏名:武田裕二郎 年齢:39歳(1981年生まれ) 仕事:キート、ミスターエブリデイズ ディレクター 走る頻度:週1〜2日、10km程度 記録:ハーフマラソン1時間46分(2019世田谷246ハーフ) |
連載「Running Up-Date」一覧へ「Running Up-Date」とは……ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
上に戻る 礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真