古代ギリシャの哲学者アリストテレスによると、ワインなどビール以外のアルコールを飲んで転ぶ人はいろいろな方向に転ぶけれど、ビールを飲んで転ぶ人は必ず後ろに転ぶそうです。
どれだけの人を観察してそう言っているのかはわかりませんが、自分が酔っ払ったときに転びそうになったらハッと思い出して方向を確認したいですね。ちなみに蒸留技術が文献に初登場したのは紀元前4世紀。アリストテレスがワインからブランデーを蒸留した記述でした。
1853年、ペリー来航の際の晩餐会で飲んだビールを自分で再現してみようとチャレンジした人がいます。川本幸民という蘭学者でした。蘭学書で醸造工程を読んで自分で作ってみたそうです。これが日本初の自家醸造だったと言われています。ちなみに現在日本では、醸造免許なしで自家醸造できるのはアルコール度数1%以下のみです。
ギネス記録とギネスビールの関係
黒いスタウトビールで有名なアイルランドのギネス(GUINNESS)社。
1950年代のはじめに同社の最高経営責任者ヒュー・ビーバーが友人たちと「世界で一番早く飛ぶ鳥ってなんだろう」という議論になったけれど答えが出ず、こういうものを集めた本を作ったらおもしろいのではないか、と生まれたのが世界一を集めた本、ギネスブックなのです。
同じ名前ですがまさか起源は同じ会社だったとは! その後、ギネスブックを販促物として、ギネスビールは人気を獲得しましたが、現在、ギネスブックはギネス社から独立しています。
普段何気なくメニューにあるビールをとりあえず頼んでいたけれど、家飲みになり選ぶビールが変わってきた方や、ビールそのものに興味を持ち始めている方も増えていると思います。今まで知らなかったビールのことや、おもしろトリビアでさらにビールを深掘りするキッカケになるといいですね。
岩田 リョウコ:文筆業、イラストレーター
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