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2020.07.07

ファッション

実態のない古着店「ウェーバー」。謎多きショップが語るヴィンテージTシャツの魅力

こと古着において、Tシャツというのは追求するほどに奥深く、底の見えないアイテムのひとつ。ロックTのようにポピュラーな存在ならまだしも、製作意図も出自も不明なものが多すぎるのがその主な理由だ。
さらに、今でこそ特別な価値のあるヴィンテージTシャツも、作られた当時は単なる量産品であることが多く、汚れたら捨てられるというごく普通の消耗品としての運命をたどる存在だいう事実もその深淵さに拍車をかけている。
そんな謎多き、ヴィンテージTシャツに心酔し価値を見いだしてきた好事家たちはいつの時代もいるわけだが、ウェーバーという古着店は間違いなくそんな存在といえる。
1980年代を代表する写真家、ブルース・ウェーバーが撮り下ろした永遠のユースの象徴、リバー・フェニックスのTシャツ。/ウェーバー
1980年代を代表する写真家、ブルース・ウェーバーが撮り下ろした永遠のユースの象徴、リバー・フェニックス。モックネックのロンTという変わり種で、グラフィックもセンス良し。価格未定/ウェーバー Instagram@weber71
実店舗もECサイトも持たない異色のショップで、販売形態は主に不定期に行われるポップアップのみ。実は主宰する池田 仁さんは某大手通販サイトに勤める人物で、2018年4月に副業として数人の仲間とともに同店をスタートさせた。
現在はバイイングと営業を池田さんが、企画とブランディングを相方の畠中一樹さんが担当し、その2名を中心に運営されている。「セレクトの基準は、“自分たちが好きなもの”。売れなかったら自分たちで着ればいいや、っていうスタンスです」と池田さん。
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某世界的ストリートブランドのロゴにも影響を与えたこのグラフィックシリーズのTシャツ/ウェーバー
某世界的ストリートブランドのロゴにも影響を与えたこのグラフィックシリーズは、社会的なメッセージの強さでも知られる女性写真家、バーバラ・クルーガーの代表作。大量消費の時代を痛烈に皮肉ったデザイン。
そんな同店の直近の試みが、渋谷パルコにあるポップ バイ ジュンと企画した「weber“大Tシャツ展” in POP BY JUN」なるイベント。
新型コロナウイルスの影響で延期のうえ特設サイトでの発売となったが、そこには映画モノや店名の由来にもなったブルース・ウェーバーゆかりの稀少なピースなどが多数出品された。ここで紹介しているのはそのごく一部である。
「たとえば、ムービーTは作品の興行収入によって作られた数に差があったりするし、意外と90年代以前の古い作品より、近年のもののほうが球数が少なかったという印象です」。
行方不明の子供たちの目をプリントした、フランスのチャリティプロジェクトの一環のTシャツ/ウェーバー
行方不明の子供たちの目をプリントした、フランスのチャリティプロジェクトの一環のTシャツで、デザインはマルタン・マルジェラによるもの。謎多きモードの寵児のアティチュードが垣間見られる。
そのラインナップは滅多にお目にかかれないグッドデザインが目白押しで、さながらミュージアムのよう。着て良し、眺めて良しの一点もの。Tシャツ好きであれば、愛でるだけでも満足できるはずだ。
 
セレクトしてくれたのはこの人
池田 仁(いけだひとし)●1979年生まれ、北海道出身。学生時代に見た“サマーダイアリー”のTシャツがきっかけで、以来今日までブルース・ウェーバーと古着Tシャツに傾倒し続ける。昨年生まれた第一子が目下の関心事項。最新の動向はインスタグラムにて。
 
加瀬友重、髙村将司、いくら直幸、秦 大輔、今野 塁、菊地 亮=文

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