新たなランデヴーも、フェラーリと
その縁があってか、2020年5月24日早朝のモナコ公国で、ルルーシュはフェラーリの最新モデルであるSF90ストラダーレを使い、ショートフィルム『グラン・ランデヴー』(大いなるデート、といったところか)を撮影した。
50年以上も前のゲリラ撮影とは異なり、今回はフェラーリが車と現役F1ドライバーを提供し、モナコ公国が撮影のために道路を封鎖するなど、各方面から全面的な協力を得て撮影が敢行された。
実は、2020年5月24日に撮影したのには特別な意味があった。
この日は本来であればF1のモナコグランプリが開催される予定だった。F1マシンの甲高いエギゾーストノートの代わりに、フルパワーでモナコグランプリの市街地コースを駆け抜けるフェラーリ「SF90ストラダーレ」の咆哮が、コロナ禍の重苦しい空気を切り裂く。
そこにはパンデミック後のニューノーマル(新しい日常)に向けた第一歩にしようという関係者すべての思いが込められていた。
だからこそ2020年5月24日だったのだ。同映画の公開は6月13日(土)に予定されている。
2020年5月24日は、トリュフォー監督が雑誌『カイエ』にヌーヴェルヴァーグ(新しい波)を宣言した1954年1月のように、後年語り継がれることになるかもしれない。
[問い合わせ]フェラーリ ジャパンhttps://auto.ferrari.com/ja_JP籠島康弘=文