②中堅 アシックス「ゲルライト サーティ」
ランニングシューズがストリートな一足へと進化するケースは多い。アディダスの「カントリー」やプーマの「RS-1」は言うに及ばず、ニューバランスやサッカニーのように“ランシュー”で名を挙げたブランドだってある。日本では言えば、やはりアシックスだろう。
代表作といえば「ゲルライト III」。’90年に発表され、すこぶる軽いランニングシューズとして話題を呼んだモデルは、スタイリッシュな姿も相まってスニーカー愛好家からも評判が良かった。それは今なおアップデートを続け、アシックスの看板モデルとして君臨。RGさんが挙げたのは、「ゲルライトIII」をさらに進化させた「ゲルライト XXX(サーティ)」だ。
「中央を分断し両サイドでシューズ本体と一体化させたスプリッドタンが足の甲を締め付けないのですごくラク」と、RGさんも履き心地の良さに太鼓判。ヒールの出っ張りや最先端素材を纏った姿もクールと大絶賛だ。
「どんな服にも合わせやすい」と日を追うごとに登板の機会も増えているという。
③大将 アディダス「スーパースター レースレス」
バスケットボールでの着用を想定し、’69年に開発されたアディダスのクラシック。当時は、これを履いてプレーするNBAプレーヤーも珍しくなかった。しかし、その名を広く世間に広めたのはRUN-DMCだろう。
ギャングスタイルを踏襲するヒップホップカルチャーでは、しばし“ムショ帰り”が自慢話のタネに。そのため、服役中のスタイルをファッションに取り入れるケースはわりと散見される。
当時、刑務所では脱獄防止としてスニーカーの紐を抜いていたというが、RUN-DMCもまたそのスタイルを踏襲したと思われる。その姿に多くのキッズたちは憧れ、そして模倣した。
RGさんが手にしたのは、そんなRUN-DMCへの敬意を込めた一足。「紐なしの履き方はヒップホップの歴史的にも重要ですよね。これならオシャレさんにもナメられない(笑)」と、鼻息の荒さにこの一足への愛着が滲む。
しかも、「これ、ヒモがなくて脱ぎ履きしやすいんですよね。にもかかわらず、ほどほどのホールド感もある」と実用的な一面もまた魅力とか。
ちなみに、背景にうっすらのぞくカルチャーに惚れ込んで購入とは、スニーカー好き“あるある”である。
RGさん曰く、「スニーカーは言葉抜きで外国人とも交流をはかれるコミュニケーションツール」。その言葉はきっと本当だろう。だって、「ハロー!」と挨拶するより、「それいいスニーカーだね!」って挨拶した方が、すんなり互いの距離を縮められそうだから。
昨年は「
スニーカーブームの行方」を占ってくれたRGさん、今回もありがとうございました。
※かまいたち山内さんやグッドウォーキン上田さんも登場!記事は下のバナーから↓「偏愛スニーカー三番勝負」の他の記事を見る「偏愛スニーカー三番勝負」とは……外に出られずとも眺めているだけでアガる、それがスニーカー。スニーカー愛に溺れた生粋のスニーカー好きたちが偏愛する一足を披露する、スニーカー三番勝負。
上に戻る 菊地 亮=取材・文