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テレワーク中のON・OFF切り替え。ポイントは「ONタイム」の演出にあり

筆者の場合、現在は自室を仕事場にしているのだが、それでも会社を辞めて在宅で仕事を始めた当初は、ON・OFFの切り替えに悩まされた。本来オフタイムを過ごす場所である自宅で、しかも家族の姿を見ながら働くのは、やはり簡単なことではないからだ。
そのうえで、具体的なアドバイスができるとしたら、在宅での仕事を始めた当初に実践して効果を感じた以下の4つを挙げておきたい。

1)部屋着で働かないこと
オンラインの会議や打ち合わせがある場合は、それなりに身だしなみを整えるだろうが、会議がない場合でも、極力「ONタイム」を意識した身だしなみを心掛けたほうが良いと思う。
例えばこんな、ストレッチ素材のラクチンセットアップなど。
気分の切り替えになるのはもちろん、子供や家族にも仕事中であることが視覚的に伝わるからだ。男性の場合は髭剃りも、気持ちの切り替えに効果的だろう。

2)ノイキャン機能付きのヘッドホンやイヤホンを活用すること
特にリビングやダイニングで仕事をする場合には、周囲の雑音が気になるはず。そこで重宝するのが、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンやイヤホンだ。普段音楽を聴かない人も、無音状態でも周囲の雑音をカットできる機種を使えば、集中力を高めるのに効果的だ。
また、目立ちやすいヘッドホンならば、子供や家族に仕事中であることが伝わりやすいほか、話しかけられるリスクが減るというメリットもある。ちなみにマイク付きのヘッドセットなら、オンラインの会議や打ち合わせにも便利だ。

3)小まめに「オフタイム」を挿入すること
上司からの頼み事や同僚との会話などに邪魔されず、自分の作業に没頭できるのがテレワークのメリットといえるが、本当に集中して作業できるのはせいぜい60~90分程度といわれている。
勤務時間=ONタイムと思っている人も多いだろうが、実際には同僚と会話をしたり会議のために社内を移動したりなど、作業以外に使っている時間は意外と多いはず。それが、仕事中のちょっとした「オフタイム」として機能していたとすれば、テレワークの際にもそうした時間が必要になるわけだ。
そこでおすすめしたいのが、だいたい1時間を目安に10~20分程度の「オフタイム」を設けること。運動不足が心配な人なら、ストレッチや家の周りを散歩するといった時間に充てても良いし、子供や家族の干渉に困っているという人なら、この時間帯を積極的なコミュニケーションに充ててみるのも有効だ。
定期的にこちらからコミュニケーションをとっていれば、必要以上に干渉されることも少なくなるだろう。

4)「通勤時間」を導入してみること
テレワークだと、つい区切りなく働いてしまうという人には特におすすめ。上記の3つに比べ効果は人それぞれかもしれないが、毎日会社に通っている人なら、生活リズムを保つためにも、敢えてテレワークに「通勤時間」を設定してみよう。
少し歩くだけで運動不足解消や、ルーティンとして気分転換にも。
具体的には、出勤と帰宅のそれぞれに相当する時間を、家の外で過ごすわけだ。気持ちの切り替えにもなるし、ウォーキングやランニングの時間にあてれば、運動不足解消にも役立つ。

 
こうした対策をすでに実践している人も多いだろうが、要は会社で働いている「ONタイム」に近い空気をいかに演出するかということが大事なのではないだろうか。もちろん過度にONタイムを強調しすぎると、家族の不評を買う恐れもあることには注意してほしいところである。
次回は、ON・OFFの切り替えと並びテレワークの課題と感じている人が多かった「コミュニケーションの取りにくさ」について考えてみたいと思う。
 
石井敏郎=文


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