OCEANS

SHARE

「LUXUAL(ラグジュアル)」なビームス ライツ

「ビームス ライツのディレクターになる際に訪れたのがフランスです。新しいブランドイメージを構築するために、マルシェやアフリカ街などへ足を運びました。現地ならではの空気感を味わうことができ、コレクションにもこの旅が活かされています」(村口さん)。
飛行機のロゴがトレードマークだったビームス ライツは、2007年のデビュー。のちに“旅”をコンセプトに掲げるにいたり、旅行や出張を快適にこなせるウェアが主力となっていった。近年はオフィスカジュアルにも注力し、セットアップが売れ筋だったという。
そんなビームス ライツが今季、リニューアルを遂げ、さらなる旅路へと歩を進めた。ラインナップからも変化は一目瞭然で、大人っぽさが増し、旅を感じさせる要素がいっそう色濃く表れている。そして何より、実にアガる服揃いなのだ。
今回のリニューアルにいたった経緯と狙いは何なのか? その仕掛け人でもある新ディレクター、村口さんはこう語る。
「従来のビームス ライツは、旅を掲げながら仕事の服が多いなど、お客様に説明しづらい部分がありました。なので今一度、しっかりとコンセプトの“旅”を掲げ、ステップアップしたいと感じていたんです。
そこで今季から、『旅の移動で着たい楽な服』『その人が普段着る服』『その人の旅先の風景に馴染む服』といったように、すべての服を旅が軸の一人称でセレクトするようにし、それに併せてプレイ、ホーム、アウェイの3ラインを新設。ロゴもよりシンプルなデザインへと一新させました」。
さらに、どのラインのアイテムにも、村口さんが思う大人カジュアルの理想を反映しているという。
「3年前に鎌倉に引っ越し、価値観が様変わりしました。年を重ねたこともあって、洋服だけじゃなく、いろいろなことに時間やお金を使うのが豊かだと思うようになったんです。すると服も、他人と違うものが着たいという考えから、自分が心地良いものを着ていたいと思うように変わった。
新しいキーワードの『LUXUAL(ラグジュアル)』はラグジュアリーとカジュアルを合わせた造語ですが、僕の考えるラグジュアリー、贅沢とはまさに、心地良さや気持ちのゆとりといったものなんです」。
新生ビームス ライツはずばり、自然体で人生を楽しむ大人たちの味方だ。いつかまた心置きなく旅に行けるその日まで。まずはビームス  ライツの服を準備しておきたい。
村口 良さん●1976年、愛媛県生まれ。ビームス 神戸などで店長を務めた後、エリアマネージャーを経て昨年、ビームス ライツのディレクターへ就任する。欲しいものがあると遠く海外のお店にもつい足が向いてしまうという、旅好きな43歳。
 
谷田政史(CaNN)、川田有二=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 菊池陽之介、松平浩市=スタイリング 勝間亮平=ヘアメイク 加瀬友重、髙村将司、増田海治郎、いくら直幸、増山直樹、秦 大輔、今野 壘、菊地 亮=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。