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見た目も走りも強面なスポーツモデルも

一方で、スポーツモデルが積極的に開発されたのも、190シリーズの特徴だ。イギリスのレーシングチューナーとして有名なコスワースの協力を得て開発された2.3Lエンジンを搭載した「190E 2.3-16」がまず1984年に追加された。
「190E 2.3-16」。小さなリアウイングやオーバーフェンダーなど控えめなエアロパーツを備える。
さらに当時、ドイツツーリングカー選手権(DTM)での最強のライバルBMW「M3(E30型)」に対して、2.3-16をベースに開発した「190E 2.5-16エボリューション」が、それでは足りぬとなると「190E 2.5-16エボリューションII」が投入され、見事DTMでの栄冠を勝ち取った。
レース車両として開発され、500台限定で販売された「190E 2.5-16エボリューション」。
巨大なリアウイングが特徴の「190E 2.5-16エボリューションII」。
日本では未だ「小さな高級車」はなかなか根付かないが、道の狭い日本にとって車体が小さいことは本来喜ばしいこと。「190」シリーズの真の価値は、この日本でこそ見出せるはずだ。
「中古以上・旧車未満な車図鑑」とは……
“今”を手軽に楽しむのが中古。“昔”を慈しむのが旧車だとしたら、これらの車はちょうどその間。好景気に沸き、グローバル化もまだ先の1980〜’90年代、自動車メーカーは今よりもそれぞれの信念に邁進していた。その頃に作られた車は、今でも立派に使えて、しかも慈しみを覚える名車が数多くあるのだ。上に戻る
籠島康弘=文
※中古車平均価格は編集部調べ。


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