②話題沸騰の新鋭生産者が造り出すNo.1アロマ
「カリートロ プーリア・ビアンコ・ヴェルデカ」●ヴィンテージ:2018年、ブドウ品種:ヴェルデカ、産地:イタリア プーリア、価格:3400円続いて提案いただいたのは、南イタリア・プーリア州の白ワイン。
「イタリアワインの見本市である『Vinitaly』やワインコンクールでも、ゴールドメダルや優秀賞を獲得するなど、今注目されている家族経営ワイナリーが造る一本です」。
イタリア各地のコンクールで多数の入賞歴を誇る家族経営の新鋭生産者、カリートロ。「ブドウの性質を理解し、ワインに耳を傾ける」という教えを守り、テロワールをしっかりと表現する手法に定評がある。
「ヴェルデカと呼ばれるイタリアならではの土着のブドウが使われています。メロン、パパイヤ、パイナップルなど凝縮されたフルーツのアロマが特徴で、ここまでアロマティックなワインは珍しいと言えるでしょう」。
安田さんがそこまで言うワインだからこそ、その芳潤なアロマを邪魔しないおつまみを選びたいが……
「ぜひ、クラッカーにクリームチーズとパイナップルやマンゴーなどのドライフルーツを添えてお召し上がりください」。
想像するだけでアロマの湖に溺れそう。これなら自宅でも簡単にマリアージュが楽しめるに違いない。ワインは冷蔵庫でしっかりと冷やすのが美味しく飲むコツとのこと。エチケットも美しく、SNS映えは確実だ。
③やれやれ、こいつぁ羊の皮を被った狼だ
「ジャン・リュック・テュニュヴァン バッド・ ボーイ」●ヴィンテージ:2015年、ブドウ品種:メルロー、カベルネ・フラン、産地:フランス ボルドー、価格:3400円最後にイチオシの1本として紹介してくれたのが、フランス・ボルドーで高級赤ワインを手がけるジャン・リュック・テュニュヴァン氏が造る赤ワイン。“自分のワインをもっと多くの人に楽しんでほしい”というコンセプトのもと誕生した、ワンランク上のデイリーワインだ。
「可愛らしい羊のラベルとは裏腹に、中身は本格的なフルボディの赤ワインです。凝縮したプラムやブラックベリー、バニラやカカオなどのアロマが特徴的で濃密な味わい。フルボディですが、メルロー由来の丸みのある味わいで渋い赤ワインが苦手な方もお楽しみいただけます」。
食事はハンバーグやビーフシチューと合わせるのがおすすめだそう。
ちなみに、ワインの名称である「バッド・ボーイ」とは、世界でもっとも影響力もあるワイン評論家のロバート・パーカー氏が生産者のテュニュヴァン氏をそう呼んだことから名付けられたそう。見た目は可愛くても中身は狼だ、ということを見抜いたのだろう。
残ったワインはアイスに! 隠し味は梅と大葉!?
前職では麻布十番のフレンチレストランでソムリエを務めていた安田さん。彼ならではの家飲みで活用できるアイデアを伺った。
「家飲みで余ったワインは、一度沸騰させてレモンやシロップ、ゼラチンを加え冷凍庫で凍らせると、簡単にグラニテ(シャーベット)にすることができます。おすすめは、刻んだ大葉と梅肉を加えた、大葉のグラニテ。ワインのおつまみにもぴったりです」。
これぞまさに、寺田倉庫が歩んできた、保管する「モノの価値」の創造から、モノが生みだす「余白の価値」の創造ではないだろうか。アイデアや捉え方ひとつで我々のワインライフはさらに豊かになる。
予算に400円上乗せして確かめてみても、きっと後悔はないはずだ。
絶対に家飲みすべき安旨ワイン自宅時間の増加に比例して増える、家飲み時間。そのパフォーマンスを効率良く上げるため、名だたる業界人から愛飲する安旨ワインをヒアリング。ルールは3000円以下! それだけだ。
上に戻る 七瀬あい=文