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2020.05.02

あそぶ

日本ガレージブランドの雄「ペレグリン・デザイン・ファクトリー」の創り方

ペレグリン・デザイン・ファクトリー
「Camp Gear Note」とは…
日本でも「ガレージブランド」なる呼び名はすっかり定着した感があるが、その存在が注目され始めたのは、2008年のリーマンショック前後まで遡る。
アメリカに端を発する、セルフビルドの登山用品やキャンプギアが日本にも上陸してきたのがちょうどその頃。流行り始めだったSNSの力を借りて、世界中の耳の早いギアフリークたちがマニアックなギアの発掘を楽しんでいた時代だった。
ペレグリン・デザイン・ファクトリー
いかに材料を組み合わせ、ギミックを生み出すか。それこそが、ペレグリン・デザイン・ファクトリーの得意とするところ。
「ペレグリン・デザイン・ファクトリー」は、そんな時代の中で産声を上げた、日本のガレージブランドの第一世代である。
 

自宅のベランダからブランドがスタート

ペレグリン・デザイン・ファクトリー
見城さんの写真事務所のデスクは、さまざまな工具や材料に囲まれ、まるで職人の作業場のよう。
社長であり、デザインとマネージメントも担当するのが見城 了さん。本職はファッションや広告、アウトドア誌などで活躍するカメラマンだ。
「僕が初めに影響を受けたのは、皆さんご存知の名作、カーミットチェアです。当時、日本にはああいった気の利いた造りのものは少なくて、味気ないキャンプ道具が多かった。ならば、自分で作ってしまおうと思ったのが、ペレグリン・デザイン・ファクトリーの始まりでした」。
ペレグリン・デザイン・ファクトリー
手書きしたものをイラストレーターで図面化。それをもとにサンプルを作り、アップデートを重ねていく。こちらは製品第一号となった「ウイングテーブル」のもの。
「リーマンショックで経済が不安定になった時期で、何か本業以外にも職を持とうという考えもありました。当時の日本には現在のような小規模ブランドはなくて、すべてが手探り。仕事の合間を縫って、自宅のベランダや近所のホームセンターの工作室で試作品を作っていました」。


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