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その2:王道の「学習院型」と、新鋭の「カジュアル型」

幕末に伝わった背嚢をベースに、進化を遂げてきたランドセル。でも、機能面でさまざまなアップデートを果たしつつ、基本的なデザインや構造はあまり変わってない。その独特な構造について尋ねてみた。
「丈夫でマチ付きの収納口に、パタンと蓋をかぶせる。構造や形はみなさんの想像するもので流通しているほとんどの製品が共通だと思いますが、そもそもランドセルには大きく分けて2型が存在します。
ひとつは“学習院型”と呼ばれます。特徴的な蓋の部分に違いがありまして……。これは『冠せ(かぶせ)』という名前なのですが、この冠せが下までしっかり伸びているものが学習院型です。
学習院型のランドセル。
もうひとつが、“カジュアル型”。これは最近多くなってきている形で、冠せがランドセル全体にかかるまで長くないモデルです。名前のとおり、見た目が一層カジュアルな印象になります。このタイプでは、縦長だけでなく横長のランドセルも多くリリースされていますね」。
カジュアル型のランドセル。
ふむふむ。冠せの長さで二分される、と。ところで、「冠せ」って特殊な呼び方ですけど、ほかにもランドセルならではのパーツ名ってあるんですか?
「冠せの裏面のことを、そのまま冠せ裏(かぶせうら)って言ったりしますね。あとは、底面で肩ひもを留める金具は“ダルマかん”、ランドセル本体と肩ベルトをつなぐ部分を“背かん”と呼びます」
なるほど。ちょっと見栄を張りたいラン活ビギナー諸君。これらのギョーカイ用語を覚えておくと、実際に購入する際にスタッフさんから一目置かれる……かもしれない。


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