「時短ケアのススメ」とは…街中で「高地(低酸素)トレーニング」体験できてしまうトレーニングスタジオ「ハイアルチ」のプロデューサーであり、Jリーガーを筆頭に多くトップアスリートのフィジカルコーチを務める新田幸一さんに、短時間でも効果抜群のトレーニング&ケア術をレクチャーしてもらう本企画。
今回はさまざまな体調不良を引き起こす原因となる「体のゆがみ」にフォーカス。このご時世、在宅勤務が長期化するにつれ、運動不足も深刻に……。それにともない体のゆがみも増悪してしまう。そこで、ちょっとした仕事の合間に行うだけで体のゆがみを改善できる、高効率な時短エクササイズを紹介しよう。
【教えてくれる人】新田幸一さん高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。
体のゆがみの元凶は尻まわりの硬さにあり
長時間にわたって同じ姿勢でいると、全身の筋肉は硬直し、その硬くなった筋肉に骨が引っ張られることで体は次第にゆがんでくる。
「すべての筋肉が均等に硬くなってくれればまだマシなのですが、前後左右すべて均等に体を使っている人なんて100%いません。なぜなら、人間って絶対に動きのクセがあるからです。例えば、『脚を組むとき絶対に右脚を上にしてしまう』『無意識のうちにどちらか一方の腕で頬杖をついてしまう』などがそう。そんな単純で何気ない動きを繰り返すだけでも、筋肉はアンバランスに硬くなり、体はゆがんでしまいます」。
特に自宅作業では、会社で仕事をしているときよりも、さらに長時間同じ姿勢を強いられがち。さらに自宅に籠っていることで運動不足なり、ますます筋肉の硬化が進行してしまうのだ。
「長時間にわたって座位を続けることで硬くなりやすいのが尻まわりの筋肉です。なかでも、尻の上部の両脇に位置する『中臀筋』という筋肉。とくに片側に体重をかけて座ったりするクセがある人は、左右どちらかの中臀筋が硬くなるため、硬くなったほうに骨盤が強く引っ張られて左右どちらかに傾いた状態になる。結果、体がゆがみ、腰痛をはじめとした痛みのトラブルなどを引き起こします」。
中臀筋は、立ったり歩いたりするときに、体の安定性を維持するために使われる筋肉。ここが硬くなると骨盤を正しい位置に固定することができなくなり、悪化すると体がゆがんで左右差が大きくなってしまう。そこで、中臀筋とその周辺の筋肉の硬さをとり、体のゆがみを改善する時短エクササイズの出番だ。
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